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きっと、うまくいく(暦のはなし・2月)

 まだまだ寒い日が続きますが、暦の上ではもう春のはじまり、立春(りっしゅん)です。立春に入ってからはじめて吹く南からの強い風が春一番。そして2月半ば頃を過ぎると、雪が雨に変わる雨水(うすい)へと季節が進みます。

 この時期は受験シーズンでもありますね。電車で英単語帳を熱心に読んでいる高校生を見かけると、自分の受験生時代を思い出してしまいます。センター試験の当日、雪道を絶対に「すべらない」ように慎重に歩いたこと、2次試験では一番得意だったはずの小論文で頭が真っ白になって1/3も書けずに終わり泣いたこと。

 結果的に入学したのはすべり止めの大学でした。親に高い学費を払わせることになり、申し訳なさと悔しさでいっぱいでしたが、入学してからはそのぶんを取り返すつもりで一生懸命学びました。

 私の好きな映画に、「きっと、うまくいく」というインド映画があります。難関工科大学に通う3人の男たちのお話なのですが、ちょっぴりミステリ要素もあり、ボリウッドお決まりの陽気なダンスシーンもあり、最後には感動の涙もあり。でもそれだけでなく、「一流企業に就職することが本当の幸せなのか?」「ちゃんと大学を卒業しなければ、すべてが終わりなのか?」など、行き過ぎた学歴社会に一石を投じるような内容も描かれており、自分は本当にやりたいことをやれているだろうか? と、改めて考えさせられます。

大学への進学がその後の人生に関係ないとは言いません。でも、決して全てではない。本人の納得のいく結果が一番ですが、第一志望ではない大学だからこそ得られるものもあります。

いま、好きな仕事をしている私は、そう思います。

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