【エッセイ】書き続けるということ
京都
学生時代、月一で京都に来ていた時があった。
私の地元から、約二時間半。
京阪の二階建ての豪勢な車両に面くらいながら、ある時は明るい気持ちで、ある時は暗い気持ちで、終点の出町柳へと出向いた。
出町柳には当時、京都大学や同志社大学に通う高校からの友がおり、彼らの演劇公演を観たり、時には書いた脚本を観に行ったりしていた。
なんて素晴らしい都市なんだろう、大阪に生まれた私は京都を心底羨ましいと思った。
京都には、文化があった。
私の大好きな西尾維新の「戯言シリーズ」の舞台は京都の大学、私の敬愛するヨーロッパ企画は京都出身の劇団。
鴨川のデルタには大学生か高校生か社会人か分からないが何だか楽しそうにしている団体が青春を謳歌している謎の路上パフォーマー。
そして、恋を文化としているなら、私が片思いをしていた女性。
いや、正直に話そう。
文化が好きな面もあったが京都に来る目的の約70パーセントが彼女の影を追って、だった。
いやいやいやいや。
急に。
急に?
激キショの独白が始まった。
恋が、文化。
恋が?
いやいやいや。
めちゃくちゃキショの恋だ。
めちゃくちゃキショの片思いだ。
片思いのための月一の京都。何が文化だ。
私心のキモ
何か良い感じの書き出しだから油断していたら、私心キモnoteだった。
X(旧Twitter)に投稿したら炎上必須の君へのメッセージ。
「恋しちゃったんだ多分」ではない。YUIも流石に、この文字群には牛乳を絞った雑巾に触れるような扱いをするだろう。
プリミティブな京都への感情かと思ったら、きしょきしょ珍道中だった。お供はあの頃の想い。きびだんご食って寝てろ、あの頃の想い。
こんな人間だから、恋人ができないのである。
容姿ではない、本当に100パーセント中身。
だから一度できた彼女を変な感じで振るのだ。ちなみに本当にゴミの手法で振ったので何も擁護できない。刑を受けるのみ、である。
そんなのだから会社の同僚とカラオケに男3女2で行った際には、僕以外の男女ペアでデュエットを歌われるのである。横林は一人で槇原敬之を熱唱していた。
タイトルを『【エッセイ】生まれてきてごめんなさい〜恋愛編〜』にしろ。
孤独の中で孤独に包まれて孤独と共に天に召せ。
パトラッシュと共に旅立ったネロのごとく、孤独と共に旅立て自分。
喫茶フィガロの月一公演
そんな私は、まだ月一で京都に来て、なんなら大体月一くらいで京都にある喫茶フィガロさんで公演をしている。
これは「キモい」のだろうか。
いや、きっとキモいのだろう。
今はもう自分のためだけの京都。
西尾維新は戯言シリーズの新刊を数十年ぶりに刊行した。
ヨーロッパ企画は火曜22時からドラマを手がける売れっ子。
片思いをしていた彼女は京都に暮らしておらず、今はもう誰かの妻で、誰かの母になった。
私は、まだ自分の作品を公開したり、謎のゲームを開発したり、パワポで自分の想いを激しく主張している。
ライフステージなんて言葉があるが、果たしてこの人生は33歳の到達点として正解なのだろうか。
ちなみに悲しいまでお客様が毎回来ない。イベントとしては成功していない。
それでも、打つ。
それでも上演する。
これは、正しい姿なのか。
友達は、みんな家族や仕事の充実したライフステージに進んでいる。
私は、お客様のいないイベントを月一回打つ。
内容には自信があるが、それだけ。
何も実績が伴わない。
なんならこの前は出演者の方にイベント本番の日程を誤って伝えるミスなどしている。本当に人ととしてはレベルが低い。
人生に正解はないが、このライフステージが花丸をもらえることはなさそうである。
ポンコツ人生の”横林くん”と作家”横林大”
それでも、こんな公演を打つ理由はなんなのか。
私は、色々と捻り出したり、頭を抱えたり、過去の作品を見たりして気づいた。
私は私の作ったものが大好きなのである。
過去に書いた自分の作品で自分で爆笑したりする。
過去に書いた作品を「ああ、好きな作品だわ」としみじみ思う。
私は私という人間が大嫌いだが、作家としての私の「大ファン」なのだ。
私が二人いればいいのにと思う。
だから私は、私に新作を書いてもらうために、公演を目論む。
誰かの依頼を引き受ける。
「横林って面白い作家がいてさ」とイベントで誰かに薦めようとする。
人生を生きる私ではない、物を作る私の才能をもっと広めたい。
詰まるところ、私は私自身の一番キモいファンなのだろう。
しかし、流石に人生を送る私の計画性の無さでは、作家の私の才能は見出せないことに気づいた。ミスする、きしょい恋する、100キログラムを超えている。イベンターとしては0点。
色々とよくしていただいていた喫茶フィガロさんもこの集客では、と流石に申し訳なくなってきた。
そこで、今回の12月に開催するイベントで有人のイベントを一旦休業し、来年からは作家『横林大』として作る側に専念する期間に入りたいと考えている。
ここからは読者の皆様へのお願いだ。
①仕事をください
なんでも書きます。
作家横林、あなたのために朗読劇やショートショートをなんでも書きます。
有償無償なんでもください。
長編は、あんまりだと思うので、短めの物語を書きます。
自分の企画するイベントではなく、人様に喜んでもらえる作品をたくさん作ります。あなたのために作品を作ります。
作品の色や詳細は、これらをご覧ください。
もし、何かご連絡などあればこちらのアドレスから連絡をくれると幸いです。
よろしくお願いします。
yokobayashidai2⭐︎gmail.com
(⭐︎を@に変えてください)
②今月のイベントに来てください
記事に書いた通り、本当に毎回イベントの入りが褒められたものではありません。はっきり言いますが、これは私の人間性も加味されてのものだと思います。
しかし、作った作品、特に宝亭お富さんとの共演でお送りする朗読劇『ウケバヤシ』は自信作です。様々な方に見ていただきたい。
以下が詳細なのですが、どれも自信のあるものです。
是非お越しください。
年末に何卒。
痛さやキモさも継続すれば何かしらの”モノ”にはなる。
これからは、様々な作品で皆様の前に現れることができればと思います。
よろしくお願い致します。
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