【ことばの力】しこりを残したり傷つけることば・気づきや癒しをもたらすことば
少し前にネット上でシェアされていたご夫婦の会話です。(少し変えてあります。)
👱♂️「よその奥さんは、もっと家計のやり繰りを上手くやっているんだから、お前もちゃんとやれよ!」
👩「よその旦那さんはもっと稼いでるんだから、あんたこそもっと稼ぎなさいよ!」
この会話を読んだ時に、以前知人が話していたことを思い出しました。私よりひと回り年上の女性です。ちょっと得意気に、夫婦の会話を話題にしていました。
「旦那が『誰の稼ぎでメシ食えてると思ってるんだ!』って言ったから、『誰が作ってるおかげで飯食えてるんだ!』と言ってやったら黙った。」
似たような会話ですね。このやり取りを読んで、ちょっとスッキリする人もいるかもしれません。
その場の成り行きとか勢いで、こんな感じの言葉の応酬というのは、夫婦に限らずあります。
相手に嫌なことを言われて、負けじと上を行く言葉で黙らせたり、ギャフンと言わせて、その瞬間は気分が良くなるかもしれないけれど、結局はお互いの気持ちの中にしこりを残して、状態が良くなることはあまり無いはずです。
ここでやり取りされている言葉って、本音ではないのですよね。本当は、例えば
👱♂️「俺も頑張ってるんだから、それを認めて労って欲しい。そっちも頑張って欲しい。」
👩「わかるけど、私だってこれで精一杯だから、頑張ってること認めて欲しい」
なのではないかな。
言葉は理解し合う為ではなくて、別の目的で使われる時に、しこりを残したり、傷つけたりすることがあります。
相手を黙らせるとか、自分を大きく強く見せようとか。
本音を言うのって、勇気がいるし、時には弱味を見せるようでカッコ悪かったりします。
かく言う私も、本音がなかなか言えないことがあります。難しいことですね。
話は変わりますけれど…
去年から自活を始めた息子が、家を出ていくちょっと前に、どんな会話の流れだったか忘れたけれど、割と唐突に、それでいてサラッとこんなことを言いました。
「朝、自分は起きなくていいのに、人のために毎日起きるってスゴイよ。僕には絶対できないね。」
ん?私のこと?σ(・・?)
そっか…私、スゴイんだ。
その時に、私の心の中でほぼ同時にふたつのことが起きました。
ひとつは…
聞いた瞬間に、
子どもたちが幼かった時、私が一週間高熱を出して、3人も子どもを連れて病院に行くこともできず、フラフラしながら毎日食事を作って食べさせていたこと。
末っ子の妊娠中はつわりが酷く、水も飲めないし、スーパーの食品のチラシを見るだけで寒気がして吐きそうだった時に、泣きながら幼稚園のお弁当を作ったこと。
そのふたつの場面が脳裏に浮かんで…
そして、その時の辛さが一瞬で癒されたのでした。
びっくりするほど、はっきりと深い所から癒されたことが感じられたのです。
別に、「お母さん、ありがとう」なんて感謝された訳でもなかったのに、息子の言葉が本心から出てきた感じがして、凄く暖かかったんです。
誰も見ていない、知っている人もいないところで頑張っていたこと。自分でもこのままずっと忘れていたかもしれなかったこと。
それがこんな形で一瞬で癒されるなんて、思ってもみなかったことでした。
そしてもうひとつ起きたことは、
私は自分の母親に対して、こんな風に思ったことが無かったと、胸がちょっとチクリと痛んだこと。
毎朝起きてご飯を作ってくれていたことを、なんか、当たり前だと思っていたなぁ。(-。-;
子どもたち3人とも、いつも色んなことに気づかせてくれて、私の先生だな…と思うのです。
子どもの魂は親より進化していると言われますけれど、確かに。👍
言葉は本当にパワフルです。しこりを残したり、傷つけることもあるし、人に気づきや癒しを与えることもできます。
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