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保育士がつらいと思ったあなたへ贈る手紙

私には約6年間の保育士経験があります。

新卒からの3年間、大変お世話になった園長先生がいました。その園長先生はいつでも子どもを第一優先に考え、保育園を第2の家庭としての温かい場作りを徹底されている方でした。明るく穏やかで、時に厳しさを持つ園長先生。多くの子どもたち、保護者、保育士から信頼されていました。私もそのうちの一人で、社会人の基盤となる3年間を園長先生のそばで過ごせた経験が、大きな財産となっています。

タイトルにある「手紙」とは、この園長先生が私にくれた手紙のことです。

社会人になって4か月目、就職前に持っていた保育士の印象とのギャップに、「もう無理・・・」とひとりでこっそり転職活動をしていました(笑)

そんな時にサプライズでくださったもの。

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先日断捨離をしていた時に見つけて、読んで心がほっと温かくなりました。そしてやっぱり私にとって本当に大きな存在だったことも改めて実感しました。

この手紙があったから、すぐに諦めることなく6年間続けることができたのだと思います。


処遇改善やICT化など、ここ数年で保育所の職場の環境はだいぶ改善されてきているように感じますが、それでもすべての保育現場が働きやすい環境とは言い切れません。

そんな現場で頑張る保育士のみなさん。かつての私のように「つらい」「辞めたい」と思った方、保育士としての自信を失くしてしまった方へ、この手紙の内容の一部をシェアしたいと思います。


【社会人として】

学生として、学校という安全な場所で頼りになる先生が必ずそばにいて、何より気心知れた大好きな友だちがいて、自由な時間があった学生生活。
それが急に社会に入って、大変なことが多かったでしょう。
さまざまな人とのかかわりの毎日で気も遣うし、油断もできないですね。
時にはぐったり疲れることもあるけれど、日々のコミュニケーションを重ねることで、関係が必ず変わってきます。
そしてかけがえのない大切な仲間になります。

【保育士とは】

『子どもはみんな問題児』という中川李枝子さんの本を読んで、その通り、と思ったことがあるので抜粋します。


<子どもはすばらしい先生です>
子どもとかかわる大人のみなさん、あなたの前にいる子どもから学んでください。これは私が自信をもって言えることです。
「あなたの書くものは、空想と現実の世界をじつにうまく出たり入ったりしている」とほめていただくのですが、私にはピンときません。
子どもの世界では、ごくごく当たり前のことだからです。幼い子の遊びをみていますと、なったつもり、あるつもり、まさに空想の世界に出入り自由で、それがとても愉快です。
遊んでいるとき、いろいろとひとり言を言っていますが、聞いているとその子のいまいる世界がだんだん見えてきます。
子どもたちといっしょの生活で、どの子もみんな善い心を持って生まれてくるということも感じました。神様は公平です。
子どものおしゃべりには、その子の願いや不満が表れているものです。聞捨てにしないで聞いておくこと。(本文より引用)」


保育士の仕事はあんまり肩肘を張らず、自然体でいつも子どものそばにいてあげる。

そんなシンプルで優しい人がいいなと私は思います。

【女性として】

いろんなことを経験する中で、自分を成長させ、素晴らしい女性になってください。ご両親から愛情をたっぷり受けて育てられた大切な先生なので、私は微力ながらすぐそばで守っていきます。なんでも相談してください。その時その時のベストを尽くしていきますよ。

新卒の立場になって言葉をかけてくれている園長先生の人柄を感じ、あたたかな包容力のある言葉に励まされたあの時と同じように、新しい生活が始まったいまの自分にとっても大きな支えになりました。

この手紙をいただいて辞めることを思いとどまったのは、言うまでもありません。6年もこの世界にいられたことに感謝しています。



園長先生、元気かな。



この手紙を読んでいながら、本はいまだに読んだことがなく。
せっかくなので読んでみようかな。

ではおやすみなさい。

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