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次のステップへ

長野県の伊那谷に移住して1年ちょっとが経ちました。

これを書いているのは、高遠(たかとお)という伊那市の東側の街に引っ越して迎えたはじめての朝。なんだか頭が冴えたのでこれを書いています。

最近はなんだか眠りが浅く、連日4:30には目が覚めてしまう日々でした。

伊那に来てすでに2回目となる引っ越し作業(セルフ)を、引っ越し前夜に始めるまでに慣れたものと思っていましたが。笑

やはり身体は正直みたい。

同じ伊那市内とはいえ新しい街での生活、

そして自分にとって挑戦となる新しい仕事。

これから新たに始まっていく物事の数々に、楽しみと緊張と、少しの不安とプレッシャーと。いろんな感情を噛み締めています。


初めての地方移住

私は2021年の夏に、生まれ育った東京を出て、福岡県糸島市にて初めての地方移住をしました。自給自足がコンセプトである『いとしまシェアハウス』に数か月間住んだのち、2021年12月末に、長野県の伊那谷に来ました。

地方移住をしたいと思ったのも、2019年のフィンランド滞在やコロナ禍を経て、東京にこだわらなくてもいいと思えたこと、消費するだけだった暮らしから、少し手をかけた暮らしに興味を持つようになったことからでした。


伊那に来た理由

糸島での暮らしを終え、また違った環境を知りたいと思い、もともと好きだった長野へ行ってみることに。単身移住の不安やハードルを下げるべく「長野 移住」で検索して出てきたのが伊那市でした。
最長1ヶ月間格安で借りられる移住体験住宅や、滞在しながら地元企業で職場体験ができるふるさとワーキングホリデー制度など、移住支援に力を入れているよう。自然も豊かで、大好きなフィンランドにどことなく似た雰囲気もありました。なんかいいかも、と。



この時、長らく安定した収入がなく、金銭的にもかなり苦しい状況。それでも、実家もなく、帰る場所も帰りたいと思える場所も正直ない(いま思えば、妥協もできたけれど。不器用でしたね、、笑)。


聞いたことすらなかった街だったけれど、移住支援が手厚そうだし、なんかいいかも。。!
直感にすがる思いで伊那に向かっていました。


後にも書きますが、伊那に着いた後は移住体験住宅への滞在とふるさとワーキングホリデー制度(以下ワーホリ)を利用して約2か月間お試し移住をし、2022年2月に正式に移住しました。


「なんで伊那にしたの?」


いまこそよく聞かれるのですが、移住の最後の決め手になったのは正直直感です。

あえて言語化するならば、どこにいても山が見えて自然が豊か、でも街もしっかり機能していて、自然と街のバランスが当時の自分にとって心地良いと感じたのだと思います。




【移住生活1年目】新たな世界を知る

オンラインの仕事の合間を縫って、伊那の街を散策して雰囲気を体感するようにしていた、1か月間の移住体験住宅での生活。

その後は、滞在中に応募していたワーホリへの参加が決定し、受入れ先であった有賀製材所にて1か月間職場体験をしました。

↑ワーホリの内容はこちらで!

ワーホリ中興味を持った森林の世界を深めたいと思ったことや、日常的に見られる美しい大自然の景色に魅力を感じ、伊那への移住を決断。中古車や賃貸を手配し、移住に至りました。


その後、ご縁があって有賀製材所の一員に。薪づくりをメインに、ホームページに携わったり、お施主様へのインタビューをしたり、いろんなことに挑戦させていただきました。

これまで長く保育の仕事をしていたので、まったく新しい分野であり、社会であり、世界観でした。学びとおもしろさと、木への可能性にワクワクできたのは、スタッフのみなさんをはじめとした製材所にかかわる方々の、木へのまっすぐな思いを日々感じられたからだと思います。

とても濃い日々でした。



製材所の合間には、農家さんや給食の調理、ごはんやさん、ベビーシッターなどのお仕事を。興味の持ったことや自分の経験・強味を活かせることに幅広く触れてきました。




正直なところ経済的に苦しい状況は続いていましたが、いま振り返れば、気持ちに折り合いをつけながら「やってみたいこと」を一番に大切にしていた時期でした。



「登山」が楽しみのひとつに

移住して新たに心を注いでいたこと、登山。興味本位での山岳会入会をきっかけに、登山をするようになりました。

まさかこんなに登山にハマるとは思っていませんでしたが、登山をする人にとって伊那谷は最高の環境だと思えるくらい、伊那に移住してよかったことのひとつです。

登山のステップアップをしていくことが純粋に楽しく、いろんな山にチャレンジしています。


先日の権現岳(南八ヶ岳)はさすがに全身バキバキになりましたが、、これも一歩。笑

山頂まで登りきることももちろんですが、安全に登山するための計画や身体づくり、山行中の自分の心や体の変化から自分を知れること、自然のありのままを体感できること、ただただ景色に心奪われること。


「山に登って下りてくる」というひとつのプロセスを通して、得られることが本当にたくさん。日常や人生に置き換えられるそれらは、なんだかいまの自分にしっくりくる全力のあそびであり、学びであり、人生そのものです。


心を注ぎたいことができる環境にいられること、健康でいてくれる自分の身体に、感謝したいと思います。


心に向き合う

さて、ここ数か月のことですが、いろんなものごとをきっかけに自分に特に向き合った期間でした。


がむしゃらにいろいろ取り組んできて、自分の心の奥に残っているものって何だったのだろう。

来た流れに乗ったまま、気づいたら流されてた?

流されていることに、違和感感じてなかった?

感じていたけど、自分で選択することから逃げてなかった?


自分はこれからどうしていきたいのだろう。

・・・・・。


自分の中の世界がとても小さくなってしまったように感じて


とてもとても苦しくなった


「伊那」っていう小さな箱にいることが息苦しくて

抜け出したくてたまらなくなった


でも、この1年の自分自身の心の変化を振り返ったとき

小さな箱は「伊那」ではなくて

「そう感じている自分自身」だったことに気づいた



だから自分自身にしっかりフォーカスをあてる、とても大切な時期なんだって思えた


自分の心に向き合い、苦しさもしっかり味わって、ようやく長く薄暗いトンネルから抜け出したような感覚に出会いました。


自分自身を見つめなおすきっかけがあったこと、ありがたかった。


これからも、立ち止まって良いから、違和感を受け入れて、最後は自分で選択していたいと思います。

自分を生きつつ、生かされている。人生、人ありきだなぁ。


【移住生活2年目】次のステップへ


この3月で有賀製材所を退職し、4月からは伊那市の地域おこし協力隊として活動することになりました。

自分が持ち合わせているものと、1年間の移住生活の経験とが活かせるお仕事。ご縁があって、挑戦できることになりました。


難しくもおもしろそうなテーマに取り組ませてもらいます。

私は、自分らしくいられることで自分にとって、誰かにとって、あわよくば地域にとって、もっと大きく言うと世界にとって、心地の良い流れが生まれると信じています。どこにいようと、何をしていようと。


こういう心持ちで一歩ずつ歩んでいきたいです。

いまの自分にとって、納得のいく選択でした。


いまを味わう


東西に広い伊那市、この1年は伊那市の西側に住んでいました。昨日から住んでいる高遠は西側から車で30分ほどの東側の街。度々仕事で来ることはありましたが、住むのは初めて。


高遠は中心に栄える高遠城址公園の桜で有名な街。満開までもう少し、全国からの観光客で、1年で最も賑わう時期ももう少しです。


西側での暮らしがとても心地よく(南アルプスの眺望が最高)、また雰囲気の違う東側での暮らしはまだまだ未知ですが、いい意味で場所にとらわれることなく自分の心地良さを知っていけたらと思います。


眠りの浅い日々が続くくらいのプレッシャーや緊張を勝手に感じてしまっていますが笑、人として成長したい、そんな気持ちがいまの自分の原動力。地域おこしもそれ以外の時間も、純粋に、真っ直ぐに楽しみたいです。

究極、山に登って帰ってきて、火を焚いて大切な人たちと食卓を囲み、大きな窓から山々を眺めて団らん、みたいな暮らしができたらそれで十分ですが、それだけでは生きていけないので(一応理想像も書いておく笑)。


いまを生きること、味わい続けたいと思います。
それに尽きる。



伊那の皆さま、
お世話になっている皆さま、
これからもどうぞよろしくお願いいたします!

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