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2024.6.9

春が開くも
うちへ招くことも忘れ
起きたそばにずらした窓から
自由に風は入ってくる

うつむくカーテンが
顔をこしらえて
外の向こうでは
隣の建物が近い

うす汚れた白壁のさび模様や
伸び切った灰色の蔦の葉が
配管をよく伝わっている

季節を思う景色に乏しく
涼しさや
汗ばむ身体に頼っていると
かつて馴染んだ暮れの合図が
街をすこしだけ騒がし
その裏手には
自動車と路面の関係が
常に耳を取り囲んでいる

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