山梨1

雲母昇れば働き出す
日陰やすみたち

柔らかい性質が
空の仲間へ
視線送りし
稲妻として
稜を駆け降り
緩やかな曲部
ふとましさ
どの道においても
違うことなく
無いものをなぞり合わせ
逐一読み合い続ける

トタンの寂景色のもとからは
じわりと気流が現る
雲々の前後へ
レイヤーを翻すも束の間に
それぞれがくっきりと
違いを白めていく季節がある

反対には
白の帳に身を包む
富士の朧
揺れ動く
雲海の光に漏れつつも
不動の視線を私に許す
何ものか

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