雨が降りて

横丁にて
新しい風を感じながら
生活を下ろす街へと至る
淀みや人々の行き足が
どこまでも伸びる先へ
私たちも迷わず重ねていく
しきりに踊る雨雲を避けていどめば
素朴な茶館に辿り着き

屋根をとると
同じように暮らしに訪れる人々
そばで見たり感じたり
椅子を分け合ったりする

夜の深まりに顔をのぞくと
無言のまま
眠気とともに
時間に訴える横顔が
ひとつ

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