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私はなんでもできてしまう?|読書メモ『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』

自分には「繊細さん」の自覚が多いにある。フォロワーの皆さんにも多いのではないだろうか。

現在休職して絶賛人生迷走中。休職に追い込まれた要因の1つに自分の繊細さがあるとも考えている。

迷走のさなか、この際やりたいことを見つけて仕事にしようかなんて考え、たまたま書店で見つけたのがこの本だった。

「"かくれ"繊細さん」の表記が少しひっかかったが、チェック□✔を入れる自己分析シートや記入するワークがあり、立ち読みで済まさず、購入してじっくり読むことにした。


かくれ繊細さん=HSS型HSP

「かくれ繊細さん」とは、HSS型のHSPの人と定義されている。簡単にいうと「刺激を求めるタイプの繊細な人」のことだ。

ということで、シンプルな(?)繊細さんではなく、かくれ繊細さんが読者の対象となる。
自分は「かくれ」ではない。繊細さんに向けての解説では参考になったが、「かくれ」に対しては当てはまらず、あまり共感はできなかった。まあ対象が違ったら当然か…

あと、他の著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』というのがあり、そちらを読んで当てはまった前提での話なのかとも思った。なので、その点は知っておいたほうがいいかもしれない。


「私はなんでもできてしまう」?

あと、読んでて引っかかったことがある。

やりたいことをやらないようにしようとする習慣が身についている。理由は、やれと言われたことはそこそこできてしまう器用さ、勘の良さにある

25ページより一部引用

どうして自分にはやりたいことがないのか
こんなになんでもできるのに

「おわりに」より

私自身は何でもそこそこできてしまうので

「はじめに」より

たびたび出てくる「自分はなんでもできてしまう」の表現が鼻についた。

これも"かくれ繊細さん"の特性なのだろうか。読んでいて、ただ筆者が有能なだけではないのか?「かくれ天才さん」の間違いじゃないのかと感じた。こういう人っているものなのだろうか?



心が僻んでいるからか、読んでいて嫌な気分になり、本書後半の自分と向き合うワークを進める気がなくなってしまった。

"いい人"をしてしまう人のための「『悪感情』を発掘するワーク」という項目があるのだが、別のところで悪感情を発掘されることとなった。

とはいえ、せっかくお金出して買った本なので、ここはぐっと堪えてしばらく時間を置いてから最後まで読み進めてみることにした。


「ボーナス72万円明細」は絶望からくる怒りだと気づいた

本書後半第3章に「モヤモヤした出来事・感情を具体的に書き出すワーク」というものがあり、その出来事として、以前noteに書いたこの話を選んだ。

少し前にバズった、「非正規障害者雇用・障害年金2級でボーナス72万」を目にした時のことだ。これを書くだけでも未だにイライラが湧いてくる。

その時に起こった感情やセリフなどを書き出し、ワークを通して「体の感覚」の変化を感じるというものだ。

やってみた結果、「絶望」という心の奥底に隠れていた感情が引っ張り出された。
モヤモヤや怒りの根底には絶望があったんだなあということに気づくことができた。

ただ、ワークの主旨は「本当にほしいと思う感覚を"体で感じる"という一連の流れを体感する」というもので、それについては感じることができなかった。


やりたいことは見つかっていないが、得るものはあった

第4章の「才能を発揮して活躍するコツ」は、「こういう場合はこうする」の具体的な対処法が多く紹介されていて、かくれていない繊細さんにもためになるなと感じた。

著者は心理カウンセラーということもあり、他にもいくつか自分の気づかなかった内心に気づくことができた。(自信のなさは焦りからきている、など)
リワークプログラムで受けたマインドフルネスの訓練を思い出した。


ハマる人にはハマって、「本当は自分はこうしたかった」→ すなわち「やりたいこと」が見つかる、という流れになるのだろうか。

タイトル詐欺とまでは言わないが、やりたいことの見つけ方というよりは、感情の処理や働く環境の選び方を学ぶ本だというふうに感じた。


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