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【経済】失われた30年

■ 2020年以降の日本

 ↑はニュースピックスで2020年以降の日本を議論している動画です。これを観ていて思ったことがあるので、今日はその話題を少し。

■ 失われた30年の象徴(世界時価総額ランキング)

 以下の表はよく見る表です。「平成元年は日本の大企業が世界の時価総額ランキングに入っていて凄かったのに、平成30年ではトップ10にどこも入っていないじゃないか」という事を表しています。確かに平成30年では上位10社にはGAFAなどのIT企業がずらりと並び、日本では1位のトヨタでも35位と、まぁ見比べると全然違います。

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■ 注目すべきはそこじゃないのでは?

 上位10位の社数ばかり注目されており、日本の衰退の象徴だみたいな感じの議論は見受けられますが、個人的に注目すべきはそこじゃないと思っています。上位10位の企業の平均時価総額に注目すると、平成元年は726億円でしたが、平成30年は6226億円と約8.6倍になっています。つまり上位10位に残るには時価総額を約10倍上げないといけなかったようです。

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■ 日本の企業は成長していないのか?

 日本の企業はこの30年間成長していなかったのか?と考えると、そうでもないようです。ちょっと出所は違いますが、平成28年時点の上位10社と平成元年時点の上位10社の平均時価総額を比べると、着実に1.2倍に成長しています。トップ企業が1.2倍も成長しているので、そんなボコボコに言われるほど悪くは無いのではないかと思います。

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■ 要するに成長スピードの違い

 この30年間日本企業は成長しなかったわけではなく、着実に1.2倍程度成長しています。しかし問題は、その間に世界のトップ企業は約10倍のスピードで成長していたという成長スピードの問題です。そこが現在の日本の問題だと思っています。

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■ 成長スピードの違いは、IT化

 成長スピードの差を生んだ一番の原因は「IT化」だと思います。時価総額を急激に伸ばした企業はほとんどがIT企業で、日本は人中心の業務形態のまま変わらなかったため、ジャンプした伸び方ができていないのだと思います。海外企業がITを取り入れて指数的に成長している間に、日本は人がやっていた作業を次の人がやっている、という引き継ぎがメインになっていたため、IT化による10倍以上の生産効率UPの恩恵を受けられていないのだと思います。

現在デジタル化、デジタルシフト、DXなどのキーワードがバズっていますが、その流れが途切れないうちに各企業の業務の中にIT化を浸透させ、生産性を上げていく必要がありそうです。

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