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福岡のうどんを語る(注:あくまでも独断と偏見)

2024年9月6日放送のフジテレビ系『ぽかぽか』で、福岡のうどんについて取り上げられたらしい。放送は見ていないし、だからって振り返るつもりもない。
ネットニュースで見た限り、福岡がなぜうどん発祥なのかとか取り上げられたらしい。

ここでは、福岡におけるうどんの特徴を例に挙げることにしよう。あくまでも独断と偏見です。
(ここでは、北九州の「資さんうどん」や豊前裏打ち会系などのことはあえて対象から外させていただきます。)


はじまりは承天寺から

福岡市博多区の承天寺には「饂飩蕎麦発祥之地」という石碑がある。
石碑が立つこの承天寺には、かつて、聖一国師という僧侶がいて、宋時代の中国にわたって大陸の文化を学び1241年に帰国した際、うどんの製粉技術を持ち帰ったと伝えられている。
聖一国師は、水力で動く製粉機械の図面「水磨の図」を持ち帰り、福岡で再現したことで小麦を大量に粉にすることができるようになった。そこから麺を食べる文化が福岡から全国へ広まったと考えられている。

承天寺にある「饂飩蕎麦発祥之地」石碑

ちなみに、機械化がほとんどの現代と異なり、当時の製粉技術では、籾殻をどうして取り除くことが出来なかったせいか籾殻も含まれたものであり、麺の硬さも今みたいに決して柔らかくはなかったとか。
想像しただけで消化が悪そうだけど…。

現代の福岡のうどん

さて、現代はというと…。

福岡のうどん屋はどこの店に行っても、見た目は薄くて透き通ったスープに目が入るだろう。
ダシを取るのに使う材料は店によっても異なるものの、だいたいは、鰹節や昆布、ウルメ、サバ節などで、薄口醤油と塩で味を調えて、完成させる。
他所から来る人が口にする「甘い」という表現がよくわからないけど、東京のような濃口醤油を使っているのと比べたらってことかもしれない。
福岡のうどんのスープは飲み干せる。ただし、塩分過多になるのでほどほどに…。

麺は、基本的に2通りの出し方がある。
福岡のうどんが「柔らかい」と言われているのは、すぐ提供できるように一度茹でておいたのをゆで直す(だいたいは温める程度)からだと。殆どの店がこれにあたるだろう。
もうひとつは、ゆでたての麺を提供する。これは「牧のうどん」が代表格になろうか。

福岡のうどんはトッピングがあってこそ成り立つ!自分はごぼう天がお気に入り

トッピングが何も入っていない素のうどん(かけうどん)は、よっぽどのことがない限りは頼まないとおもう。かくいう自分がそうです。

福岡のうどん屋では、トッピングのメニューとして、ごぼう天丸天といった他所にはない独自のものがあるけど、中でもごぼう天は福岡のうどんの代表(地元の人はごぼ天とも略す)であり、そこに甘く煮詰めた牛肉も加わった肉ごぼう天うどんもまたよしだ。

ごぼう天にひとつにしても、店によって特徴は違う。
短冊切り状のを1本ずつ揚げて複数トッピングしたものや、かき揚げ状にしたもの(「因幡うどん」や「みやけうどん」等)など。
そうした違いから自分のお気に入りの店を探していくのもいい。

ウエストのごぼう天うどん
ウエストは卓上にあるネギが盛り放題なのも嬉しい。ついつい盛ってしまいます。
因幡うどんのごぼう天うどん

ごぼう天がなぜここまで浸透したのかまでは…分からないけど。
自信を持って言えること。収穫最盛期(特に冬)のごぼうが一番食感が柔らかくて美味しい!とね。

ごぼう天うどんにはかしわおにぎりの相性は抜群にいい

かしわとは鶏肉のこと。鶏肉以外にもごぼうやにんじんなんかを加えてるところもあろう。素朴で懐かしい味で、だいたいは炊き込みご飯として炊いたのをおにぎりにして提供される。おにぎりにしないところもあるけど。
何せ、ごぼう天うどんとの相性は抜群であり、一緒に頼む人も多い。
1皿1、2個入っているけど、あっという間になくなる。

ウエストのかしわおにぎり

うどんはヤワ、ラーメンはカタというけれど…

福岡では、うどんの麺が柔ければ、とんこつラーメンは細麺がほとんどでカタめが主流である。真逆だよなぁ。
ラーメンでももちろんヤワで頼むことはできる。さらに下にズンを出しているところもある。
福岡のうどんをカタで食べられるかといえば…食べられないことはないだろう。実際、牧のうどんでは注文できるようになっているわけだしね。

ところで福岡の人は、ラーメンよりもうどんを食べる頻度のほうが多い気がする。
店も、ウエストのように24時間営業(一部店舗を除く)もあるからふらっと立ち寄れるのがいいところだし、食べるのが決まっていればメニュー表なんて見ないですぐに注文。配膳されたら、ささっと食べて、お会計をして店を出るのだ。

最後に

今回は、あくまでも独断と偏見で語ってきました。意見とか食い違いとか、いろいろあるとおもいますけど。
生まれも育ちも、何なら今も福岡に住んでいる自分。他所に引っ越したら、恋しくなってくるんだろうな、きっと。

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