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心も身体も健康的な保育士でありたい。サービス残業をなくすためにできること

こんにちは。YOKOです。

もうすぐ七夕ですね。保育・教育業界などさまざまな施設に勤めている方には、七夕行事を計画中の方も多いのではないでしょうか。

私事ですが、保育現場・産婦人科小児科・親御さん向けにハンドメイドの手袋シアターの販売もしています。最近七夕行事用の作品をちょこちょこご購入いただいており、みなさん行事に向けて準備されているのだなあと現場の雰囲気を思い出しております。

さて、元保育士の私なりに考える保育現場の課題について。
3回に分けて解説、改善策の提案をしています。

【保育現場の課題】
①業務負担の差(フリー保育士の役割分担)
②ICT化の遅れ
③サービス残業(休憩中、時間外、休日)

今回は第3回目、サービス残業の多さについて現状と改善策を考えてみました。


第1回と第2回をまだ見ていない方はぜひ見てみてくださいね。


【保育現場の課題③サービス残業(休憩中、時間外、休日)の多さ】

◎残業の背景
いままで保育士をしていて、同業種の友だちと会うと必ずと言っていいほど話題に上っていたのが、残業の多さ

別のnoteでコドモンの導入についても提案していますが、特に公立の保育園や小学校など手書きの書類や手紙の作成/配布が多いのも現状だと思います。

紙の書類が多いことで、紙での管理による時間コストの増加、紛失のリスクが伴います。実際にさまざまな自治体からも保育所での書類紛失の報告が上がっていますよね。紙での管理が、セキュリティ面でも時間コスト面でもリスクが大きく、わたし自身も保育士時代その難しさを実感しました。

児童票、保育日誌、月案、週案、行事計画、上げたらキリのないくらいたくさんある書類の数々。残業せざるを得ない状況になってしまうのは痛いくらいわかります・・・。

◎残業の現状(主に3パターン)
・休憩を切り上げる
保育所の場合、大抵子どもの午睡時間の2時間ほどを休憩・書類作成にあてるのがほとんどかと思います。
1時間の休憩を取ると、実質午睡中の作業時間は1時間ほど。

慢性的に人手不足の園は休憩すら取れないことも、日常的にあります(昼食は子どもの給食の時に一緒に食べ、それが休憩とみなされるなど)。タイムカードの打刻を調整して1時間休憩を取ったことにして、休憩を早めに切り上げて作業している先生もまだまだ多いのではないでしょうか。

先輩がそうしてるから、みたいな職場の雰囲気もあるし・・・。
私も新卒から3~4年くらいまではそうしていました・・・汗

よくないとはわかっていても、そうしないと終わらないの!!

当時の心の叫び😱です。
休憩を切り上げるのも立派な残業です。

・定時後残って作業する
週末や月末になると、その週/月の反省と次の週/月の計画をします。普段の日誌や活動の準備に加えて行わなければならないため、週末は十分な時間の確保が難しい傾向にあります。児童票がある月は特に・・・

午睡中に行えなかった分は、定時のあと別室で終わらせてから帰る。

残業申請ができる園があっても、
・申請しづらい雰囲気を感じている人
・申請の手間を感じ(何回も申請するのが億劫になる)申請しない人
サービス残業にある背景はさまざま。

私が勤めていた園では
・残業したら毎回必ず申請してね!と園長先生が積極的に声をかけてくれる園
・前もってどれくらいの時間が必要か申告すれば、残業申請を承認してくれる園(→計画性や効率重視の園長先生だった)
・サービス残業の風潮がしっかり根付いている園
こちらもさまざまでした。

私立・公立両方の保育園で勤めたことがある私の一個人的な解釈ですが、残業の管理方法は園(園長)によって差が大きいように思いました。

・休日に作業する
製作活動や壁面の準備を休日にあてる人が多い傾向にあると思います。

自分自身がそうしていただけでなく、周囲の多くの保育・教育業界の友だちが休日にインスタのストーリーで、壁面や誕生日カードなどを作っている写真をアップしているのを本当によく見かけたからです・・・

家だったら自分のペースで丁寧に作業できるから、むしろ持ち帰るほうがいい

そうやって金曜日にまとめて材料を持って帰る先生、いませんか?(はい。私でした)

私も職場の環境が変わるまで気づけなかったのですが、ここまでくると『休日返上で残業している』という認識さえなくなってしまっている気がします。

スキルアップのために休日を勉強にあてるとか、副業するとは全く別の話。
製作の準備は業務のひとつで、立派な残業なんですよね。


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【改善案】

◎ノンコンタクトタイムの導入

<ノンコンタクトタイムとは>
休憩以外の時間に保育を抜け、書類作成の時間を確保する時間のこと

・方法
フリー保育士に補助に入ってもらい、担任が保育を抜けて書類作成をする

・時間帯
主におやつ後。
午前中の活動や食事(特に乳児クラス)は担任が行いますが、おやつの後の夕保育(16時~17時)などは合同保育もでき、正規・非正規の配置に配慮すれば担任がいなくても保育を抜けやすい時間なのではないかと思います。

1時間だけと思うかもしれませんが、集中して作業するためにある程度時間が限られているほうが効率的。そして前もって夕方に時間が作れることが分かっていれば、計画的に進められますよね。

この『ノンコンタクトタイム』という言葉は厚生労働省の「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」にて記載されていたものを参考にしました。

主に園長や主任に向けた現場のマネジメントについての内容がメインだと思われますが、内容もわかりやすく、こういったマネジメント方法があると認識するだけでも日々の保育業務への意識が変わってくると思います。

参考資料
厚生労働省|保育関係
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/hoiku/index.html
4.保育士と保育士になりたい人へ
・保育士が働きやすい職場づくり
業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン(令和3年2月)


◎ICT化する(コドモンの導入)
前回の記事と重複するので割愛しますが、ICT化することで冒頭に挙げたような紙の管理のリスクを回避することができます。

詳しくはこちらで↓

・・・・・

保育現場の3つの課題をおさらいします。

【保育現場の課題】
①業務負担の差(フリー保育士の役割分担)
②ICT化の遅れ
③サービス残業(休憩中、時間外、休日)

私の以前の職場の例ですが、
①②を実践することで③サービス残業の改善 につながりました。
完全に残業がなくなるわけではないのですが、

・負担が分散されたこと(業務のみえる化、フリー保育士への役割分担)
・効率化されたこと(ICTシステムの導入)

は、特に担任にとって精神的な負担が大きく減ったように思います。

効率化という面ではICTシステムに頼るだけでなく、保育の現場でたくさんの保育士さんが工夫されていることと思います。
「うちの園ではこんなこと実践してますよ~」というのがあったらコメントで教えていただけたらうれしいです。

【最後に】

私がなぜここまで残業のことを言っているかというと、保育や教育の現場の当たり前がそうではないことを知ってほしいから。
保育の現場しか経験してこなかった私にとって、転職や退職の経験やほかの現場の声に触れる機会がなければ、こういった労働環境の問題点に気づけませんでした。

私は、

保育士は定時ぴったりに上がれない

サービス残業や休憩がないのが当たり前

っていう概念をなくしたいと思っています。


子どもたちは、大好きな先生には心も身体も健康的でいてほしいと願うはずです。

保護者の方も、保育士のことをよく見ていると思います。自分の子どもを大切にみてくれている先生がいつも残業していたら、心配してしまいますよね。

子どものいまと将来を担う、とっっても大きな責任とやりがいのある職業だからこそ、保育や教育の現場で活躍されている皆さんにはもっと輝いてほしいと心から願っています。

そのために、働く環境はスピード感をもって改善されるべきだと思います。
私一人の発信は小さいものかもしれませんが、ご縁があってこの記事を最後まで読んでくださった方にとって、少しでも力になれたらとってもうれしいです・・・!

心も身体も健康に、自分にやさしく過ごしましょう!

いただいたサポートは、活動費として使わせていただきます。もっともっと前進します!