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文学フリマ東京で芸人短歌や井口可奈本を売りました

文学フリマ東京に出てきた。芸人短歌をひっさげて、ゆくぞ!!!!という感じだったのだが、結果的にわたしの新刊や既刊などいろんな本も売れて文フリって面白いなって思った。芸人短歌一点買いのお客さんも、全部読んでみて他のも買う人も、わたしのネットに公開している作品を見て買いに来てくれた人もいた。すごいなと思ったのは、芸人短歌を買うために文フリにはじめてきてくれたというお笑い好きの人がかなりいたことだった。ありがたすぎる…!モノレールに乗ってまできてくれてありがとうね…!の気持ちでなるべく丁寧に売った。お笑い好きの人からは「下北のライブによくいる人ですよね?」と言われて笑ってしまったりした。ガクヅケのなんのネタが面白いかを延々と言い合う時間とか、もともとうっすら交流があった人の推しを聞いてえ〜〜そうなんですね〜〜!!!って盛り上がったりした。
春組織推しなんですよね?もちょいちょい言われて笑ってしまった。おれの推しばれてる!!!

ふらっと立ち寄ってくれた人も、芸人さんに興味を持ってページを開いてくれた人が多かったようで、わたしはこの本を芸人本だと思って舐めるとどかんと殴られるような類のものだと思っているし、どれもそれぞれの個性があり、いい歌ばかりだと思っている、と話した。
上手いとか下手とかは読んだ人の基準や考えがあるのでなんとも言えないが、輝きや良さのある歌だとわたしは考えている、というようなことを伝えると大体の人が買ってくれた。
わたしはいつも文フリで本をトークで売っている。話したらわかってもらえるし良さはちょっと見ただけで伝わりにくい部分もあるからだ。つくった本人が自信を持ってオススメできる本って欲しくなりませんか?シェフのおすすめっておいしそうじゃないですか?そういうことだと思うので出来るだけ良さを伝えていくようにしています。とくに芸人短歌はわたしが原稿を書いたわけではないので心からベタ褒めできて自分で褒めててほんといい本だよな〜と思ってました。

ブースにはいろんな人が来てくれて、お客さんで来てくれた人の名前をあげていいかはわからないので控えておくけれど、わたしの好きな作家さんたちが来てくれてはわわ…ってなってわけわかんないこと言ったり、執筆陣だとレッドブルつばささんとブティックあゆみさんが来てくれて、レッドブルつばささんはあんまりにも文フリに馴染んだ感じできたのでほとんどお話ししたことないとか全然忘れてさらさらと話せてよかったし、戦利品をアップしていたところから見ると文フリをエンジョイしたらしい。ブティックあゆみさんはSAMIDAREくんのおつかいを頼まれてたぽくていいやつなんだよな…と思った。

ここまで(わたしの中で)あたりまえすぎて書いていなかったが当日のブース運営には岡田萌枝が加わってくれた。わたし1人では回せないだろうという判断だったのだが、実際多分1人だったら全然回せなかっただろうと思った。お客さんひとりに本を売るにも、お金をもらう、お釣りを渡す、本を渡す、なんの本が売れたかに印をつける、の作業が必要で、それを連続して何人もやるのは難しかったし、隣のブースに人がかかっていたり列がごちゃっとした時に接客を止めずに声掛けしてもらえたのもありがたかった。

あと(これはもう仕方ないのだが)文フリは場内アナウンスが多く、その場にいる人たちには直接関係ない内容のものもあり、もちろん大事なお知らせなのだがマイクでかなり大きい音量が流れるので聴覚過敏で耳がやられてきて、閉場する時にはとくにいろいろな指示が流れるのでわたしにとっては何回も聞いたことのあることを大きい声で延々と言われるのはすごくストレスで、もえちゃんが質問してくれる声も聞こえないし、後ろのテーブルの子どもには鞄を踏まれるし(踏むな!!!!)だんだんわからなくなってきて落ち込むというか調子悪くなってしまったのだが、もえちゃんはわたしのその状態を把握して淡々とやることをこなしてくれて、わたしもそのおかげでやることをまず終わらせようって状態にできてよかった。

帰りはもう疲れたし調子悪いしで黙っていたのだが、もえちゃんもちょうど作業があって黙っていたので2人で静かにモノレールに乗った。降りたところで調子悪い?ということになって、でもなんか食ったら治るかも、といい、蕎麦屋に入った。蕎麦味噌とか食べて、わたしはカツ重を頼み、半分残して包んでもらった。荷物が重すぎて持って帰るのが気持ちとしてしんどいのだ、と言ったらもえちゃんはかなちゃんちまで運ぶよと言ってくれて、なんだそれ!!!!????と思って断ったのだが力持ちだから全然無理とかせず運べるよとのことで、本当に無理とかじゃないならとお願いしたら全部持ってくれた上に全然つらそうな感じを見せず、手ぶらのわたしよりすいすい歩いて行って、着いていくのにわたしが息切れしてしまうくらいだった。ボルダリングジムで働くということはこういうことなのか…!と謎の納得をして家まで送ってもらって、今度パフェを奢ることにして別れた。

家に帰ったらめちゃくちゃ疲れていて、布団に倒れ込んだらそのまま動けなくなりぐでっとした状態でしばらく過ごし、そしたら足がどんどんつってきて、右足いてて、左足いてて、あっまた右痛い、みたいな状態になってしまっててんやわんやになりながらもうわけわかんないわ!!とそのまま寝て、起きたら足がだいぶ痛くなくなっていたのでお風呂で温めて着替えてお布団に再度入った。そしたらだいぶ良くなって人に連絡したりなんだりをしている。

にぼしいわしいわしさんが芸人短歌についてラジオトークで話してくれていて、色々な人についてのコメントをくれたのも面白かったし、ちゃんと、井口可奈の編集であることも言ってくれ、関わりたかったとまで話していた。
じつはいわしさんは書いてほしいなっていう候補としては考えていて、最初は10人のつもりだったのでそこがばーっと埋まってしまったからお願いしなかったのだが、いわしさんの書くものには興味があるなと思っていた。
のでもし2出すときはお願いしたいです。前にも書いたけど2を出すならオダウエダとケビンスは決まってるのであといわしさんと銀兵衛小松さんと、もう6人決まっちゃったよ!!!という感じでちょっと想像してみている。

ブースに来てくれた何人かの方に、これはどうやってつくった本ですか?と言われて、最初はあんまり意味がわかんなかったのだが、つまり芸人さんにどうやってアプローチを取ったのかという話だったらしい。正直なところを言うと知り合いが半分くらいを占めるので、その人たちには直接頼み、その他の人にもTwitterのDMでお願いした。マネージャーさんをとおしたひともいるけれど(お金関係だけはマネージャーさんを通した、という場合もある)大体そんな感じで、でもそれを個人がやろうと思うとかなりあやしいと思うしわたしが芸人だったら怖いと思うかもしれない。
企画書と謝礼の提示と自分が何者であるかをなんとなくわかってもらうことができていればそんなに難しくないのだが、おなじような企画を考えている人がいるとしたらあんまりおすすめしない。芸人さんに書いてもらって自分が編集するというのは、つまりめっちゃいい本にしなくてはいけないというプレッシャーがすごいので、生半可な本にできないなって(少なくともわたしは)思った。だから原稿をもらった時にいいものが出てきた時にはすごく安心して、ほとんどのひとは直しを入れていない。感想を送った後に直してくれたり、そもそもこの中からどれがいいですかね?と相談してくれたりした人はいるが、基本的にはお願いした人はみんないいものを書いてくると思っていたので大丈夫だと思っていたし、実際期待以上のものが上がってきた。
でもそれがすべての編集に、芸人さんに、できることかはわからない。だから類似企画をやりたい人っぽい人にはちょっと強めの言葉を使って難しいですよみたいなことをちらっと匂わせてしまったのだが、芸人短歌はいろんな要因がたまたま重なってめちゃいい本になったという部分がかなりあり、わたしの編集力が異常に高いとかそういう話じゃないように思う。同じようなことをやってみたいと思っている個人の人がいたら、めちゃめちゃ考えてみた方がいいと思う。お笑いでいうとライブ主催者っていっぱいいるけど全部のライブ主催者さんが良心的でお客さんにも優しいライブをやっているわけではないんじゃないかなってちょっと思う。それと似ていて、ライブをやる、というのはやってみれば意外とできるのかもしれない。でもその一回のライブがとても最高のものになるかどうかっていうのはいろんな要素が関わってくるから一概に絶対できます!って言えないと思う。だからもし芸人短歌みたいなこたやりたい!という人がいたら既得権益を守りたいとかじゃなくて普通にしんどいからやめた方がいいですよって思う。わたしもかなりいい本ができたつもりだが自己満足の本だったらどうしようって人に渡すまでは思っていたので、面白かったですと少しずつ感想がきて、あ〜出してよかったなという気がしてきているしこれからもっと感想が増えていろんなことを思うだろう。

クオリティの高いものをつくっていきたいよねって話です。それは編集者が100%コントロールできないよねという話でもあります。

文フリでいろんな方と出会えて面白かった。ここからはさまざまな形で販路を拡大して、たくさんの人に読んでもらえるように工夫していくべきだなと思っている。書店委託、通販、なんでもやっていくので是非芸人短歌を手に取ってください。よろしくお願いします!

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