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カフカあれこれ

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カフカの短い作品を翻訳し、解釈します。他にもカフカに関することなら何でも書いていきます。
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記事一覧

Amazonで『カフカの短編を読み解く』を出版しました

Amazonで『カフカの短編を読み解く』を出版しました。noteで書いた記事を部分的に書き直してま…

ヨジロー
2か月前
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カフカの『新しい弁護士』―アレクサンドロス大王の軍馬だった弁護士?

カフカの短編『新しい弁護士』は、1917年2月10日ごろ執筆されたと推定されている 。カフカが33…

ヨジロー
4か月前
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Kindle本「カフカの『歌姫ヨゼフィーネ、あるいはネズミ族』を読み解く」を出版しまし…

Kindle本を出版しました。「カフカの『歌姫ヨゼフィーネ、あるいはネズミ族』を読み解く」です…

ヨジロー
1年前
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Kindle本「カフカの『ある犬の探究』を読み解く」を出版しました

Kindle本を出版しました。「カフカの『ある犬の探究』を読み解く」です。『ある犬の探究』の抄…

ヨジロー
1年前
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Kindle本「カフカの『断食芸人』を読み解く」を出版しました

Kindle本を出版しました。「カフカの『断食芸人』を読み解く」です。『断食芸人』の翻訳とその…

ヨジロー
1年前

Kindle本「カフカの『あるアカデミーへの報告』を読み解く」を出版しました

Kindle本を出版しました。「カフカの『あるアカデミーへの報告』を読み解く」です。『あるアカ…

ヨジロー
1年前
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Kindle本「カフカの『田舎医者』を読み解く」を出版しました

Kindle本を出版しました。「カフカの『田舎医者』を読み解く」です。『田舎医者』の翻訳とその詳しい解釈を1冊にまとめています。 『田舎医者』はカフカの全作品の中でもっとも不可解な作品だと思います。吹雪の夜、医者のもとに遠くの村で重病人が出たという知らせが届きます。しかし、馬車につなぐ馬が死んでしまって出かけられません。ところが、医者が豚小屋(!)の戸を蹴ると、見知らぬ馬丁と二頭の馬が突然現れます。この馬丁、いきなり医者の女中に襲いかかります。でも馬は、馬丁と女中を残して、

Kindle本「カフカの『流刑地にて』を読み解く」を出版しました

Kindle本を出版しました。「カフカの『流刑地にて』を読み解く」です。『流刑地にて』の翻訳と…

ヨジロー
1年前
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Kindle本「カフカの『変身』を読み解く」を出版しました

Kindle本を出版しました。「カフカの『変身』を読み解く」です。 『変身』を分析し、解釈を行…

ヨジロー
2年前
5

Kindle本「カフカの『判決』を読み解く」を出版しました

Kindle本を出版しました。「カフカの『判決』を読み解く」です。『判決』の翻訳とその解釈を1…

ヨジロー
2年前
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カフカの『隣り村』―隣り村に行こうと決心するなんて

特に文学的にすぐれているとは思えないのだが、ときどき思い出してしまうカフカの小品がある。…

ヨジロー
2年前
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カフカ『変身』の主人公の名前は「グレゴール」か「グレーゴル」か?

新潮文庫の高橋義孝訳『変身」冒頭の一文は、1985年の改版以前は次のようになっていた。 ある…

ヨジロー
2年前
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カフカの『変身』の主人公ー「毒虫」から「虫」へ

カフカで最初に読んだのは『変身』だった。高橋義孝訳の新潮文庫、昭和49(1974)年発行の第38…

ヨジロー
2年前
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カフカの性描写(3)―『城』より

前回は、カフカ第二の長編『訴訟』で性行為が暗示されている個所についてコメントした。今回は、カフカ第三の長編である『城』における性描写を見ていく。 『城』には、主人公のKと、城の高官クラムの愛人である給仕女フリーダによる、二度の性行為が描かれている。 最初の性描写最初の性行為は、酒場「紳士館」のカウンターの裏側でのものだ。 彼がまだ部屋を出て行かないうちに、もうフリーダは電気を消してしまい、カウンターの下のKのそばに来た。「愛しい人! 私の愛しい人!」と彼女はささやいた。