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持ち帰りたいラトビア

ここ最近、作家の小川糸さんの日記エッセイを読み漁っていた。Webサイトの日記を文庫にまとめたものらしく、1年分が1冊ずつ。時系列を無視してタイトル買いしているので、知らない登場人物が出てきたり、いきなりベルリンに住んでいたりするけど、あまり気にせず読んでいる。

少し前に、「卵を買いに」という本を読み終わった。

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小川糸さんは、この年、取材でラトビアを訪れていた。ラトビアという国には全くなじみがなかったが、社会の授業で習った気がする「バルト三国」のひとつだという。場所は北欧のすぐ下、ヨーロッパの端っこでロシアの隣、その位置関係から他国に支配されていた時期が長かった国、1991年に独立、とのこと。独立したのがそれほど昔ではないことに驚いた。

エッセイの中では、戦争や迫害の歴史についても触れられていたが、そんな状況の中でラトビアの人たちがずっと大切に守ってきた手工芸がこの国の誇りだという話に興味を持った。

そんなとき近所の本屋さんで「持ち帰りたいラトビア」という本を見つけたので、縁を感じて買ってみた。

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伝統柄の織物、素朴な陶器、麦わらや木でできたオーナメント、木の風合いを生かした木工、カラフルな編み物(特にミトンがかわいい!)、美しく機能的なバスケット、アンティークのガラス雑貨など。職人のおじいちゃんおばあちゃんのエピソードや様々な写真とともに、ラトビアの手工芸と、ラトビアという国のことが盛りだくさんに紹介されていて、読み終えたときにはラトビアを旅したかのような濃厚な充実感。

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職人が手作りした、素敵な工芸品に囲まれて生活できたら素晴らしいなと感じる。バルト三国、ちょっと前までどこにあるかも知らなかった異国に興味を持ち始めた。

まだまだ海外旅行には行けそうにないけど、こうして本を読んで、自分の世界が広がっていくことを楽しむ。いつかラトビアで、お気に入りの工芸品を手に入れる日を夢みて。

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