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言葉の宝箱 0143【人間は、絶対に確かなものを求める傾向がある。しかし、世の中には絶対確かなものなどなく、不確かな中を生きなければならないことも同時に知っている】

『潜入調査』藤田宜永 (光文社2013/10/20)

約二十年前、
金融会社社長が事務所で金庫破りと鉢合わせをして刺殺された。
社長の娘から依頼を受けた探偵竹花は情報を受け、
犯人と思われる男が暮らす新潟に赴くが、
その男の身辺を探っていくうちに、
竹花の周りで不可解な出来事が次々と起こる。
『ピンク色の霊安室』『タワーは語る』『あの人は誰?』『潜入調査』
4話連作短編集。

・人間は、絶対に確かなものを求める傾向がある。
しかし、世の中には絶対確かなものなどなく、
不確かな中を生きなければならないことも同時に知っている。
この矛盾がぶつかり合うと人は悩む。
この状態から逃れる方法はひとつしかない。
絶対に確かなものを求めず、不確かなものには近づかない。
恋で喩えるならば、相手を理想の人物だと思わず、
少しでも曖昧な態度を発見したらただちに身を引く。
しかし、そうやって生きたとしても
空虚なものが残るから厄介なのだが P128

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