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言葉の宝箱 0648【おいやりがあるからこそ縁が切れてしまうことだってある】

『京都下鴨なぞとき写真帖』柏井壽(PHP文芸文庫2018/7/23)


京都の老舗料亭『糺ノ森山荘』の八代目当主
朱堂旬はふだんは冴えない風貌で、
自転車にまたがる姿はどうみても下働きの従業員だが、
彼は人気写真家金田一ムートンというもう一つの顔をもっていた。
秋の大原、どこか寂しげな着物姿の女性が向かうのは山中の来迎院。
彼女にカメラを向けたムートンがファインダー越しに見抜いた真実とは?
京都の名所とグルメ情報満載。
『大原のもみじ』『雪の千本鳥居』『天神さんの梅』
『円山の枝垂れ桜』『糺の森の恋』5話連作短編集。

・写真を撮るのに、最もたいせつなのは意欲である。
少しでもテンションが下がってしまうと、いい写真は撮れない P67

・人が一心に祈りをささげる姿は、なぜこれほど美しいのだろうか。
老若男女を問わず、きっと邪心が消え去っているからに違いない P105

・人生に近道はない。毎日の積み重ねしかない。
そしたらいつか花が開く P127

・人の思いは時間も空間も容易に乗り越える P130

・桜は散り初め、もみじは色付き初めが美しい P149

・夫婦というのは不思議な間柄だとつくづく思う。
互いの気持ちを推し量り、勝手な結論を導いてしまうこともある。
思いやりがあるからこそ縁が切れてしまうことだってある P169

・弱気な人間はすぐに迷う P180

・風景写真には二種類あると思っている。
一つは人知の及ばないような雄大な自然風景。
もうひとつは人が自然と寄り添うような景色 P191

・人間はいくつになっても
恋する気持ちや情熱を失っちゃいけないんだ P207

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