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言葉の宝箱 1050【「物足りない」と思うか、「まぁいいや」と思うかは、けっこう大きな分岐点】

海馬

『海馬』糸井重里(新潮文庫2005/7/1)

脳と記憶に関する、目から鱗の対談。
曰く、「『もの忘れは老化のせい』は間違い」「30歳を過ぎてから頭は爆発的によくなる」。記憶を司る部位である「海馬」をめぐる脳科学者、池谷裕二のユニークな発想と実証に糸井重里の見事なアプローチ。脳に対する知的好奇心を満たしつつ、大人の読者に生きる力を与えてくれる科学書。
【目次】
第一章:脳の導火線
第一章のはじめに
生きることに慣れてはいけない
頭のいい人って、自分の好きな人のことかも?
一流と言われる人は、実は案外「おしゃべり」だぞ
ストッパーをはずすと可能性がひろがる
刺激があるから生きられる
つながりを発見する能力
三〇歳の誕生日は人生の縮図
脳の九八%は眠っている
人間は眼に頼る
脳は死ぬまで休まない
はじめての体験
自分に都合のいいように解釈をする脳
盲点を体感できる実験、お見せします
第一章のまとめ
第二章:海馬は増える
第二章のはじめに
脳は「べき乗」で発展
科学者が海馬に惹かれる理由
海馬があるから人間でいられる
人間はいちどに七つのことしか憶えられない
ウソをつくのが脳の本性
何歳になっても海馬の神経細胞は増えている
脳は毎日が面白いかどうかに反応
「かわいい子には旅をさせよ」
ハリウッドは血の入れ換えで成長した
クリエイティブは、脳への挑戦
悩みを解決するコツ
第二章のまとめ
第三章:脳に効く薬
第三章のはじめに
ものを忘れさせる薬
頭が良くなる薬は、あることはある
朝鮮人参やイチョウの効果
風邪薬はやる気を奪う? 眠っているあいだに、考えが整理される
酸化防止剤は老化防止剤
やる気を出すコツはたくさんある
第三章のまとめ
第四章:やりすぎが天才をつくる
第四章のはじめに
一〇〇〇億の細胞からつながる相手を選ぶ
受け手が主導権を握る
センスは記憶
頑固が頭を悪くする
モーツァルトでIQがあがる
天才とは、やりすぎてしまう人?
情報の捉えがたい洪水
新しい観点を得ることのすごさ
漢字テストは一〇〇点中二点だった
テストのたびに公式を導き出す
問題をひとつずつ解くこと
言葉の呪い
結果ではなくプロセス
第四章のまとめ


池谷:「ルーティーンワーク」だと、
脳の中のネットワークの再編成が起こらなくなってしまうのです。
「まぁ、それでもいいや」と思っている人にとっては、
ルーティーンワークでもかまわないのかもしれませんが。
糸井:「物足りない」と思うか、
「まぁいいや」と思うかは、けっこう大きな分岐点ですよ。
「つまんなくていいや」と心から思っている人に対しては
「もっと刺激を求めなさい」とか、
「そういう態度はだめです」とは言えないですからねぇ。
池谷:そうなんです。価値基準ってどうしても主観的だから P89

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