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言葉の宝箱 0121【落ち込んでいても腹は減る】


『水族館ガール5』木宮条太郎(実業之日本社文庫2018/7/25)

ウミガメも人間もこの大自然の一部。
アカウミガメが水族館アクアパークのある浜に漂着した。
本来はイルカ担当の飼育員嶋由香だが、同僚と共に救出作業を行い、
傷ついたウミガメの世話をすることになった。
その生態がほとんどわかっていないことに驚かされた
由香は産卵が見られるという四国の浜辺の町へ出向き、
カメの世話をする子供たちと出会う。水族館のお仕事小説、シリーズ第5弾 

【プロローグ】【第一プール:イルカ・マッチ】
【第二プール:夏霧プール】【第三プール:ウミガメの限界】
【第四プール:子ガメの二十四時間】
【第五プール:ウミガメ恋々(こいこい)】【エピローグ】

・落ち込んでいても腹は減る P13

・カッとくるようなことを言われたら、目をつむって十まで数えろ。
落ち着いて考え直すと、案外、いいこと言ってたりするから P17

・大きな目標を持つことは必要であるが、それだけでは実現が難しい。
まずは大きな目標を細分化し、
実行可能な事柄にしてカードに書き出してみよう。
それができたなら、目標までの順番を考えて、カードを並び替えてみよう。曖昧だった目標はより明確になり、手順も見えてきたはずである。
なにより、段階的に細かく進めることによって、
小さな目標を何度も達成することになる。
その達成感こそ、継続への強い意志を生むのだ P43

・自分の言葉でしゃべっていない。
どこかで聞いた誰かの言葉を、口にしているだけだ。
だから、抽象的なことは言えても、
具体的な内容を問われると、急に言葉につまってしまう。
矛盾したことを言っていても、気がつかない P55

・生き物である以上、ストレスゼロなんてありえねえんだよ(略)
ストレスそのもの問題なんじゃねえ。ストレスの過剰が問題なんだ。
付け加えれば、ストレスは少な過ぎてもいけねえ。
要は、適正な範囲にあるかどうか P61

・生き物ってやつはよ、急激な変化にはやたらと弱ええ。
だから、激しく反応しちまう。
そのくせ、徐々に進む変化には気づきもしねえ。
変化量が少ねえと、その変化に気付かないまま、馴れちまう(略)
感覚的の認識レベルで起こるんだから。
当然、生き物であるヒトにも起こる。医療やら教育やらで応用されてら。
分かりやすいところでは、
スポーツのトレーニングや習い事のレッスンってところかな。
全てにあてはまる P63

・何事にも『目的』があって、そのための『手段』がある(略)
まずは目的、次に手段。理屈から言えば、この順番が逆になることは無い。だがな、長い年月がたつと、人間はもともとの目的を忘れてしまう。
皮肉なことに、手段の方は忘れない。
『手順』や『ルール』となって、身に染み付いているから。
で、いつの間にか、
ひたする手順やルールを守ることに力を注ぐようになる。
単なる手段だったものが、目的そのものになってしまうんだ。
だが、これが永遠に続くことはない。
どこかで、このひずみが爆発して、全てが崩壊してしまう P112

・思慮が邪魔をする(略)
経験が邪魔をする。
世の中に立派な理屈はいくつもあるが、
それを実行するには最初に無我夢中で走り出す奴が必要だ P116

・分かったつもりになっている。
結果としては、無関心と何ら変わりません P227

・馬鹿馬鹿しいとあしらって終わらせることは簡単だ。
だが、それでは状況は変わらない P258

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