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言葉の宝箱 0190【未来には希望もあるけど、失望もいっぱいある】


『嗤うエース』本城雅人(幻冬舎文庫2012/10/10)

人気球団スターズのエース
浪岡龍一は才能、頭脳、闘争心のどれもが超一流だった。
しかも極貧からのし上がった苦労人だが、
週刊誌に暴力団との交際を報じられたことで評価が揺らぎ始める。
各メディアは特ダネ合戦に沸き、黒い噂は八百長の可能性にまで広がる。
真相を究明すべく、ベテラン刑事と敏腕記者が浪岡を調べる。
元新聞記者が球界のタブーに挑む迫真のミステリ。

・人というのは、
誰かしら自分たちより不幸な人間がいないと安心できないのだ。
だから下にいるうちは同情するが、
その者が成功して上がっていくと、途端に面白くなくなる。
クラスでも必ず誰かに無視される子供がいた。
椅子取りゲームだと自分が座れない可能性があるので、
あらかじめ椅子の分だけ徒党を組んで、自分が弾かれないようにするのだ。そんなことしたって、そのひと時の安心でしかない。
椅子の数が減ったら、今度は仲間内で誰かしら弾かれる P183

・裏切られた――。
同時に、どこにいても同じか、と冷めた感情が沸き上がってきた(略)
人なんて似たようなものだ P195

・親から逃げているうちは親を恨むこともできん P346

・希望と失望というのはひと番みたいなもんやで(略)
未来には希望もあるけど、失望もいっぱいあるということや P423

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