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言葉の宝箱 1206【「秘密」に対する好奇心は、その秘密性に比例して増大する】

『横山大観殺人事件』内田康夫(講談社文庫1988/10/15)


・絵描きが本物の絵を描ける期間は、
長い人生の中でほんの一瞬かもしれませんよ。
ユトリロでいえば白の時代がそうだった。
その短い一瞬、画家の中にミューズの神が宿って、
画家の手を借りて絵を描くのです。あれは人間わざではありません。
何か分からないが、
突き上げるような衝動のままに筆を滑らせた結果が作品になる――。
そういう時期に生まれた作品だけが、その画家の芸術で、
あとはみんな贋物。
神が宿っていた時の記憶をたどって、模写しているに過ぎないのです P23

・人間の「秘密」に対する好奇心は、
その秘密性に比例して増大するものだ P76

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