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言葉の宝箱 0832【機会は恵まれるものではなく、自分の手で作るもの】

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『朝日殺人事件』内田康夫(講談社文庫2008/8/12)

都内の一流ホテルで不動産ブローカーを営む男が殺されたが、現場に手掛かりはなく、捜査は難航していた。ニュースで事件を知った浅見光彦は母の雪江に相談を持ち掛けられる。旅行帰りに被害者を目撃したらしいのだ。
その際に男は携帯電話で「アサヒのことはくれぐれもよろしくお願いします」と大声で頼んでいたという。「アサヒ」とは何か?
浅見は事件解決のために死者が遺したメッセージの真相を追う。
名古屋、北陸、そして東北へ。
そんな中、知り合いの雑誌編集者が取材先で殺害される。
2つの事件を結ぶ意外な関連性が浮上。
真実を追う長い旅路の果てに浅見が見たものとは? 旅情ミステリ。

・目的をいだき、その気になれば、
規則に縛られることにも、それほど痛痒を感じないものであるらしい P59

・他人が体験したことでも、
何度となく自分の頭の中で反芻しているうちに、
あたかも自分の体験であるかのように錯覚し、記憶してしまう(略)
そういう「記憶」は未完成であり、不定形であるだけに、
その欠落した部分を補填すべく、勝手に増殖し、誇張してゆく P74

*取材方法には一定のパターンのようなものがあって、
まず現地の役所を訪れ、
基本的な知識を仕入れることから始めるのがふつうだ P231

・他人の不幸を面白がってると、ろくなことになりません P362

・機会は恵まれるものではなく、自分の手で作るものですわ P368

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