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@言葉の宝箱0228【愛のない結婚生活を続けているのは、打算があるから】

『情事の終わり』碧野圭(実業之日本社文庫2012/8/15)



42歳の雨宮奈津子は大手出版社に勤める文芸編集者。反抗期の娘を持ち、姑と同居するが、夫婦仲は良好とはいえない。人気作家の接待をきっかけで7歳年下の営業部員と恋に落ちた奈津子はさらに人気作家にも言い寄られ。
働く女性の純愛小説。

・女は別れ方を間違えるとあとが怖いからね P10

・打算っていうのもおかしいわ。
誰だってつきあう時に相手の条件は考えるでしょ?
どうせだったら、いい条件の方がいいじゃない(略)
愛は打算ではないとか、きれいごとは言わないでね、お願いだから(略)
愛のない結婚生活を続けているのは、打算があるからでしょう? P137

・挫折したことで、自分が許さないというか、
どうしたらいいのかわからなくなっちゃったんじゃないかなあ。
それで、今までやってこなかったようなことをやってみようとしている。
懸命にあがいている P151

・幸せのかたちは、それぞれ自分でみつけるしかないんだ P153

・なぜ、忘れていたのだろう。
辛いことだから思い出したくない。
そう願うあまり、記憶が抜け落ちていたのだろうか。
それとも、心の奥でまだ怒りや悲しみが燻り続けていて、
克彦の優しさを見ないようにしていたのだろうか P186

・「大人のずるさってわけね」(略)
「ずるさというより、大人の知恵と言って。
いつもいつも真正直である必要はない、ということ」(略)
「ばれなきゃいいってこと?」(略)
「そういう時もある。
うまく説明しても、相手にわかってもらえないとおもったら、
最初からことを荒立てないという方法もあるのよ。
いつも正直でいるなんて、
結局、その本人が気持ちいいだけなんだから(略)
ちょっと違うな。たとえ周りにはばれなくても、やったことは消せない。
自分はごまかせない。結果的には自分自身でつけを払うことになる」 P219

・自分自身より大事に思える人が現れたら、きっとわかるわ P298

・男にとってプライドがどれほど大事なものか P318



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