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言葉の宝箱 0802【理想は希望にトーンダウンし、「絶望」と名前を変えつつある】

『薔薇の殺人』内田康夫(中公文庫2010/7/25)

浅見光彦の遠縁の大学生、緒方聡が女子高生誘拐の嫌疑をかけられた。
聡の濡れ衣を晴らそうと行方不明になった浜田文絵の家を訪れる。
そこに届けられていたのは
文絵の出生の秘密をばらすといった内容の一通の脅迫状。
実の親を知らずに育った文絵は人気俳優と宝塚歌劇団出身の清純派女優との17年前の秘めやかな愛の結晶だったのだ。
数日後、文絵の亡骸が山林で発見された。
浅見は悲劇の真相を追って、乙女の都『宝塚』へと向かう。


・理想は希望にトーンダウンし、
どうやら、例年のように「絶望」と名前を変えつつあるようだ P10

・存在する物を発見することは容易だ。
あるかないか不明の物を発見するのは、かなりの努力と忍耐と困難を伴う。しかし、何もないことから何かを発見するのは、さらに難しい P159

・嫌いな相手でも、認めるべきところは認めている。
そういう点、大阪の女性は、さっぱりと潔い P237


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