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言葉の宝箱 0877【長いこと一緒に時間を過ごしているからといって、その人物のことを理解できているとは限らない】

『スキマワラシ』恩田陸(集英社2020/8/10)

古道具店を営む兄と物に触れると過去が見える、不思議な能力を持つ弟の散多。散多は亡き両親の面影を追って、兄と共に古いタイルを探していた。取り壊し予定の建物を訪ねるうち、白いワンピースに麦わら帽子。ある日二人はビルの解体現場で目撃された少女の噂を耳にし、兄弟は更なる謎に巻き込まれていく。消えゆく時代と新しい時代の狭間で巻き起こる、懐かしくて新しいエンタテインメント長編。再開発予定の地方都市を舞台にしたファンタジックミステリー。


・長いこと一緒に時間を過ごしているからといって、
その人物のことを理解できているとは限らない P7

・蒐集欲というのは、理屈ではない。
とにかく欲しい。どれだけあっても欲しい。
集めること、それ自体が目的になってしまう P56

・いいものもあれば、悪いものもある。
いや、いい悪いではなく、ただいろいろなものがあるだけなのだ P79

・終わりなんかじゃない。
恐らく、これは何かの始まりなのだ P111

・酒には強い。いや、「酔えない」と言うほうが正しいかもしれない。
むしろ、飲むほどに身体のどこかがきいんと醒めている P121


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