言葉の宝箱 1114【物事はタイミングだ。熟考して良い結論が出ても、やる時に全て終わっていては意味が無い】
『水族館ガール⑦』木宮条太郎(実業之日本社文庫2020/7/25)
嶋由香は元千葉湾岸市職員。アクアパークへの出向を機に転籍。
以来、イルカ、ラッコ、ペンギン、マンボウ、ウミガメ、アシカ と
多くの水族に接してきたが、そのたびに、葛藤と試練、試行錯誤。
その傍らには常に先輩である梶良平がいた。
二人は次第にお互いへの思いを深めていく。
そして、昨夏、由香は入館以来、
最大の試練『イルカ出産プロジェクト』に直面する。
一年弱の妊娠管理を経て、赤ちゃんは生まれてきたが、
その喜びは新たなステージの始まりでもあった。
イルカのルンが赤ん坊を出産後、病気にかかってしまい、
親子は別々のプールに移され、
飼育員の由香は人工のイルカミルクを与える担当に。
思わぬ形で子育ての大変さを学ぶことになった由香が
離れ離れになった親子を対面させるために思いついたアイディアとは?
一方、自然の海を活かしたイルカビーチ構想が思わぬ展開に!?
水族館のお仕事小説、シリーズ第7弾。
嶋由香と梶良平、兵藤(ヒョロ)と奈良岡咲子、
2組のじれったい恋愛小説としても愉しめる。
・ずっと見とるから、気づかへんの。
熱心な観察者ほど、周囲の物が見えんようになる P38
・腹が満ちると、気分は一新。気力が湧いてくる P42
・理屈じゃねえ。知らず知らずのうちに、感情に溺れちまってる P131
・苦しい自分に酔っちまうことがある。
そうなりゃあ、筋道たった考えもできなくなって、
感情を満たすために動いちまう。結果(略)
肝心の目的が果たせなくなっちまうんだ P132
・物事はタイミングだ。
熟考して良い結論が出ても、やる時に全て終わっていては意味が無い P145
・母性ってね、自動的に出来あがるものじゃないんだよ。
時間をかけて、作りあげていくものなんだ P174
・怖くなるんだよ。相手が大切だと。
いい加減なことはできないという気持ちが先に来る。
で、なかなか、次の一歩が踏み出せない P181
・具体的な形に仕上げて分かりやすくしないと、
一般の人達には分からない(略)
課題があるなら、我々が解決策を見つけた上で、彼らに提示するんです。『こうして欲しい』と。
で、了承を得る。そうでないと、決まるものも決まらない P224
・がっかりするのは、全部、やってみてからでいいでしょう P246
・生きモンちゅうのは、
生まれて初めての環境に出くわすと、面食らっちまうんだ P262
・藻場ってね、海再生の鍵なんだよ P270
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