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言葉の宝箱 1016【だれも平等ではなく、なにも平等ではない。そのことを確認するために、この年月が過ぎていったのかもしれない】

『メイン・ディッシュ』北森鴻(集英社文庫2002/3/25)

小劇団『紅神楽』を主宰する女優、紅林ユリエの恋人で同居人のミケさんは料理の達人にして名探偵。どんなに難しい事件でも、とびきりの料理を作りながら、見事に解決してくれるが、そんなミケさん自身にも誰にも明かせない秘密があった。ミステリ連作短篇集。文庫化に際して、特別短編を加筆。

『アペリティフ(プロローグ)』『ストレンジ テイスト』
『アリバイレシピ』『キッチン マジック』『バッド テイスト トレイン』『マイ オールド ビターズ』『バレンタイン チャーハン』
『ボトル“ダミー”』『サプライジング エッグ』
『メイン・ディッシュ(エピローグ)』『特別料理』


・だれも平等ではなく、なにも平等ではない。
そのことを確認するために、この年月が過ぎていったのかもしれない P61

・無神経に言葉の暴力をふるいまくる P93

・思い出がいつだってすばらしいと思えるのは、
幸福な人間の驕りではありませんか P122

・駅弁は大きな楽しみですよね。
もちろんおいしければそれに越したことはないのだけれど、
まずい駅弁はまじ駅弁で、思い出にしてしまえるじゃないですか。
旅ってそんなご都合主義の側面をもっていると思いませんか。
その場その場では不満足なため息なんかもはいてしまうんですけど、
日常性に立ち返ると、押し並べていい旅だった、なんて P130

・「役」とは役者がまとう衣裳に似ている。
わたしたちは衣裳を着替えるように、さまざまな人格を演じ分ける P245

・奇跡がいつだって人に優しいとは限らない P252

・日本には様式美という美しい文化がある P303

・舞台は結末の為にあるものじゃない。
その過程を楽しみさえすればいいんだ P305

・男の甲斐性は顔に現れる P313


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