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言葉の宝箱 0541【人は失うものをいくつも抱えている。だからこそ時には人前で弱みをさらさねばならないし、逆に是が非でも掌の中にあるものを奪われまいとして、牙を剥きだしにするのである】


『狐闇』北森鴻(講談社2002/5/30)

・思惑が存在するからこそ、危険も伴う P89

・独りで生きるということは、
独りでトラブルを解決するということでもある P123

・心の痛みをアルコールで紛らわせるような愚かさ P151

・勝負を左右するのは常に冷静な判断と、
情報の解析であることはいうまでもない。
けれどもそれだけで勝つことができない。
運気の流れをいかに自分側に呼び込むか。
それは偶然に頼るのでなく、
自らの能力のすべてを使って流れに体当たりし、
こちらに運を呼び込むということである P184

・人は誰も、譲ることのできない一線を胸の深いところに持っている。
けれども、それはいつも天秤の一方の皿に載せたおもりのようなもので、
反対側の天秤に載せられたものの性質、重さによっては
時に譲歩の可能性が残されていないではない。
多くの人間にとって、
たとえば命を引き替えにしてでも譲れない一線などというものは、
存在しないに等しいはずだ P203

・相手が容易に手が出せないほど、誰もかもを巻き込むんだ P210

・人の世の中のすべてが合理性によって動くものではない P323

・謎の要素は曖昧なほどいい。
勝手に向こうが想像の翼を広げてくれる P324

・失うものなどすでにない。
そんな言葉を簡単に口にする人間を(略)信用しない。
人は失うものをいくつも抱えている。
だからこそ時には人前で弱みをさらさねばならないし、
逆に是が非でも掌の中にあるものを奪われまいとして、
牙を剥きだしにするのである P357

・正義の形は決して一つではない P408

・感情と論理は相対するが、別ものではない。
時には感情を論理で推し量ることも、可能だよ P410

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