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自作短歌十一首


整然と
並ぶ十字架
俺の墓標
花を飾れよ
無彩の部屋に


徒然に
それなるままに
歩ければ
この道はたしか
いつか来た道


自らの
人生にすら
疎外され
ばってんみたいに
交わるふたり


不可逆の
イニシエーション
暴風雨
オマエも残り
五年のいのち


影のない
はずの土曜の
窓の外
あれは浮雲
あれは私


白玉の
影にかくれて
傷もなく
優しい人から
死んでゆきます


この世には
良いも深いも
ないのだと
わかる土曜の
ひとり夕暮れ


重力が
まっ逆さまに
なったらね
サラリーマンは
みんな首吊り


学校の
外で拾った
へその緒で
君と私を
繋ぎませんか


仮定的
バイセクシャルで
暮らしてる
ゲイもノンケも
レズもみんなも


「目覚めたら…」とか
考えなくていいように
おやすみなさい
もう起きません

十一



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