マガジンのカバー画像

吉岡雅哉

11
吉岡雅哉の活動・作品についての記事をまとめています。
運営しているクリエイター

記事一覧

全国思春期探訪Vol.1 岡山県津山市加茂町

「昔の日本人は○○だった」という話を耳にすることがある。昔の日本人は価値観も生活スタイルも今とは異なっていた、という話だ。昔話には、平安時代とか戦国時代といった遠い昔の話もあれば、あるいは本人の体験談として語られる昔話もある。私は本人が語る昔話を聞くのが結構好きだ。 つい最近も、実家の愛媛に帰省の折、祖母から色々な昔話を聞いた。 両親が定年後、祖母の暮らす愛媛に移住して、母の実家は私にとっての実家ともなった。この町は海と山に囲まれた陸の孤島と言われるような土地で、今は過疎化

ピンクのバイブが あらわれた!|吉岡雅哉個展「来し方行く末 ‘24春」

トーキョーワンダーサイト本郷(現TOKAS本郷、以下TWS)で2007年に開催された吉岡雅哉の個展「コンビニ畑にテレビっ子」のイベントページに、吉岡作品が以下のように紹介されている。 この展示の翌年、TWSと東京都が主催した公募「トーキョーワンダーウォール都庁2008」で、ワンダーウォール賞を受賞した吉岡は、2009年に受賞者展として東京都庁で開かれた個展で、受賞作品を展示から外されるという事態に直面することになる。 賞を授与したのはそもそも東京都であり、展示条件は受賞作

展覧会が始まる|吉岡雅哉個展

吉岡雅哉の展覧会「来し方行く末 SEASON 1 | 2023 AUTUMN」が、11月10日から始まりました。最新作を中心に'10年以降の作品を加えた約30点の構成で、吉岡の描く予測不能な世界を物語的にお届けする、シリーズ個展 第1弾です。 初日はあいにくの雨でしたが、オープンの時間からご来場いただいたり、お仕事帰りにお越しいただいたりして、ありがたかったです。 画集も早速お買い求めいただきました。いずれ作品を買えるように仕事を頑張ると言ってもらえたのが嬉しかったです。

展覧会を作る|吉岡雅哉個展

吉岡雅哉個展を、11月10日から開催します。 みんなのギャラリーでの吉岡個展は、今年7月以来の開催となります。 数か月の間隔で個展を開催することは、作家さん達にとってはそれほど珍しいことではないと思いますが、同じギャラリーでの開催というのは珍しいケースかもしれません。 短い間隔で開催することは、時間的な余裕がなくなるという意味で難しさもありますが、作家の活動に合わせた良きタイミングを考えたうえでのことならば、それもひとつのスタイルではないかと。なので、夏に続いて秋という短

画集を作る|吉岡雅哉画集「思春期」

吉岡雅哉画集を、11月10日から始まる個展の開催に合わせ発行します。 データは印刷会社へ入稿しました。今のところ予定通り進んでいます。 画集の発行は、7月に開催した吉岡雅哉個展「2011-2023」が終わった後に思い至りました。 個展「2011-2023」の余韻がまだ残っているようなときでもあり、画集を作るなら、内容は今回の個展に関するものにしようと考えました。 画集といいつつ、個展のカタログとかパンフレットとは違うのか?、ともその時点で考えました。 実際に内容をまとめ

お月見|吉岡雅哉作品シリーズまとめ

吉岡雅哉の作品タイトルは、同じタイトルの作品が何点も存在しており、個別のというよりもシリーズ別のようになる傾向があります。 連続したイメージとしてみることもできますし、それぞれを別個の世界のイメージとしてみることもできます。 今回は、「お月見」という作品について。 ※シリーズ全作品ではありません。 ※更新していく予定です。 7月に開催した個展「2011-2023」のレビュー記事では、アートコレクターズ編集部の「これが欲しかった」作品として、「お月見」がピックアップされま

吉岡雅哉個展「2011-2023」月刊アートコレクターズレビュー記事

7月に開催した吉岡雅哉個展「2011-2023」のレビュー記事が月刊アートコレクターズ9月号に掲載されました。 記事を執筆された編集部 田村さんの了解を頂き、全文を本記事に掲載いたします。 吉岡雅哉 日常の景色、出来事、人物を対象に、その影響から生まれたイメージを長年に渡り描き続けている。 青の時代、囚人ファイル、お月見、思春期、庭いじり、西海岸、コンビニなど、作中のイメージ・世界観は繰り返し描かれ、完結をみない長編小説のようにシリーズ化している。 作家インスタグラム(@

庭いじり|吉岡雅哉作品シリーズまとめ

画家 吉岡雅哉の個展を7月にギャラリーで開催しました。 個展の前は、3月にアートフェア東京で吉岡の作品を展示しました。 どちらの展示も、20年ほど前に描いた作品から最新作まで、作風の異なる大小さまざまな作品を、壁の縦横に展示しました。 どちらの展示も、制作期間の幅、作風の幅、それぞれの広さを見ることができる内容でした。 時期と作風を縦横の軸として、この記事では、一つの作品シリーズに絞り、奥行の軸に沿って吉岡作品を見ていきたいと思います。 吉岡作品のタイトルは、個別のという

体験した気の未体験

9月30日から始まる「アートフェアアジア福岡2022」にギャラリーで出展します。 香月恵介・吉岡雅哉・three、3組の作家の作品を出展します。 今年の春以降、それぞれの作家にフォーカスした発信を続けてきました。 今回の福岡フェアでは3組の作品が一つのブースに並ぶことになります。 ネット画像・肖像画・2次元キャラ、各作家が扱う対象は、私たちにとって、直接見たり触れたりしたことはほとんどないけれど認知できるもの、要するに知った気になっているもの、という点で共通したところがあ

みんなのコンビニ

今年から節約のため自分でお茶を淹れるようになり、仕事前にコンビニに寄ることがなくなりました。自分で淹れるのは手間だなと始めの頃は思いつつ、これだけで結構な節約になることがすぐに実感でき、今のところ定着しています。けれどもコンビニというのは、いつでも確実に開いているということが私の中にはインプットされていますから、元の習慣に戻ってしまうのはとても簡単なことなのかもしれません。 緊急事態宣言の中でも、ずっと近所のコンビニだけは開いていました。時々、丸の内あたりのビルの中に入って

コンビニと週刊誌

夏の高校野球地方大会が始まり、ソワソワしだすこの頃。 今やすっかり運動不足の生活ですが、高校時代は往復2時間かかる道のりを一人自転車で通学し部活の朝練に向かう日々でした。 今とは違い携帯電話の所持は厳罰。川沿いを真っすぐ進み、田んぼや梨畑を抜け、情報と経験が少ない環境の中で、周りに何があるのかも知らずに、ひたすら自転車をこいでいました。その時分というのは、案外一人の時間は少なくて、一人になれるあの通学時間があって良かったよなあと今でも思うことがあります。 さて今回は、吉岡雅