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『Global Sustainable Investment Review』を読んでいまさらSDGs投資レビュー2018

最近SDGs絡みの情報が増えているのに合わせてGlobal Sustainable Investment Alliance(GSIA)が2019に発行したSDGs投資レビュー2018を使って勉強したいと思います.
自分が勉強するためのメモを公開してみようという試みなので、見にくかったらソーリー


序文
GSIAの説明とGSIRの成り立ち
GSIRは隔年レビュー(2020版はもうすぐ発行?)

GSIAのターゲット主要構成は
・オーストラリアとニュージーランド
・カナダ
・ヨーロッパ
・日本(特に日本が成長著しいと書いてある)
・アメリカ

サマリー
DEF: 持続可能な投資とは環境・社会・ガバナンス(ESG)要素を考慮した投資アプローチ

2016-2018の持続可能な投資市場環境
・世界の持続可能な投資は2018年頭に30兆ドル(2年で34%の成長)
・ヨーロッパ以外で市場シェアが拡大
・投資割合は日本の18%からオーストラリア&ニュージーランドの63%まで
持続可能な投資の目的と戦略
・ネガティブスクリーニング(ESG適正のない投資からの撤退)
・ポジティブスクリーニング(検討要因としてESGを重視)
・規範に基づくスクリーニング(検討要因として国際的な規範を重視)
・ESG統合(財務分析の要素として明示的にESGを含む)
・持続可能性をテーマにした投資(直接的なSDGs事業への投資)
・インパクト投資/コミュニティ投資(社会問題や環境問題に取り組む個人・団体への投資)
・企業関与と株主活動(株主によるESG活動の提案・要請)
世界の持続可能な投資戦略のTop3
・ネガティブスクリーニング(20兆ドル、EUでは支配的戦略)
・ESG統合(17.5兆ドル、US・CA・AU・NZで支配的戦略)
・企業関与と株主活動(9.8兆ドル、JPで支配的戦略)

規範に基づく投資は、EU激減/CA微成長/JP急成長、全体としては減少
インパクト投資・コミュニティ投資は、少量ながら活気に満ちた市場
EU投資は11%増加だが市場総資産に占めるシェアは4%減少して49%(GSIAの推測:基準と定義の厳格化による)ネガティブスクリーニングとESG統合は成長(定義の明確化により明示化されたことによる)、規範に基づいたスクリーニングは減少
US投資は成長を継続し38%増加、ESG統合が80%の支配的シェア
JP投資は4倍成長、国内投資の18%で一気にEUに次ぐ持続可能な投資の中心141兆円の企業関与と株主活動と122兆円のESG統合型投資(GSIAは安倍政権と政府機関によるイニシアチブが大きいと推測)
CA投資は42%増、シェアは38->50%に成長、ESG統合・企業関与がtop2でネガティブスクリーニングが最も高い成長率64%、インパクト投資は小規模だが60%
AU/NZは投資割合が63%、ESG統合と企業関与で78%

結論

各国で資産に占める持続可能な投資の割合が成長>ビジネスとしての認識の高まりを反映.リスク抑制と長期目線の財務実績の改善が目的.持続可能な投資の大多数は社会的・環境的目標を達成したい、または社会の使命を果たしたいという願望を仕事の目的に持っている.個人投資の割合が増大している.

古賀所感

・EU圏の投資傾向をUS,CA次いでJPが追いかけているように見える
・その場合初期的にはESG統合を目的とした投資が増え、追ってネガティブスクリーニングと企業関与が増大して、ESG投資割合は減少していく.原因はおそらく社会側のSDGs認知度と理解度の経時的増大.
・持続可能性投資シェアはUSが圧倒的 SDGsを軸にした企画はUSに持ち込むのが正解に見える インパクト投資/コミュニティ投資の割合がUSで高いことが後押しする関係
・社会的/環境的な問題解決を望む投資家が多いことは、投資リスクの低減と相まって持続可能投資増の傾向を作っている

こんなことも知りたいという方はリクエストお願いします.次はISRUでもやるかね?


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