見出し画像

なんちゃって留学 よもやま話15    ~Short trip スイスへの旅1

Dijonの大学寮から、今度はスイスまで足を延ばすことにした。モンペリエの一人旅とはうって変わり、今回は大学の仲間と5人の大所帯で!

旅の道連れは…4人
短期留学中にスイスへ旅行するつもりではあったが、ユーレイルパスの移動エリアにスイスを入れておくのと、スイスのガイドブックを買うくらいで、細かい計画は一切していなかった。

漠然と「山岳特急とか乗ってみたい」と思ってはいたが(いや、お土産を頼まれたSWATCHの店には行かねばならない)、とにかくスイスへ足を踏み入れてみよう、という思いだった。

「来週末はスイスへ行くつもり」と言ったら、ほかにも行きたいという人が4人出てきたので、女子3人・男子2人の計5人という大所帯で行くことに。じゃんけんで負けた人が、ホテルの予約することになった。

先週スイスに行った子たちから、なかなか良かったというホテルの電話番号を教えてもらい、町の電話ボックスから、じゃんけんで負けたSくんが5人分の予約を取る。

その足でディジョン駅に向かい、TGVの予約もした。宿泊するホテルの場所はGeneveジュネーブ。TGVはディジョンからLausanneローザンヌまでで、ここで普通列車に乗り換え、ジュネーブに向かうという行程だ。

画像10

※ジュネーブは、スイスの左下に引っかかっているようなところにある。 https://www.travel-zentech.jp/index.htm

陸続きの国境越え

さて、出発当日。今日もいいお天気だ。フランスに来てからいいお天気が続き、傘をさした記憶があまりない。
陸地続きのヨーロッパの地の利を生かした、鉄道での国境越えがようやくできる。なので、鉄道での旅行ではあるが、忘れずにパスポートを持参する。

TGVの向き合い席は4人。私だけユーレイルパスを持っていたので、1人だけ離れた席になってしまった。
ちょっと寂しかったが仕方なく、窓の外を見たり、単語を覚えたりしていたのだが、途中から眠くなりこっくりこっくり・・・。

画像9

※これは帰りの列車内だが、こんな感じの向き合い席。日本と変わらない。

突然「起きて、起きて!」と友人に体をゆすられる。どうやら国境を越えたようで、車掌さんがパスポートをチェックしにやってきたのだった。ただ見せるだけで終わり。こうして、初めてのスイスに足を踏み入れた。

ローザンヌ駅到着前のTGV内アナウンスは、英語・フランス語だけではなくドイツ語でもあった。スイスに来たんだなという実感がわく。
TGVを降りて急いで普通列車に乗り換える。約30分で目的地であるジュネーブ駅に到着した。

画像4

 ※ローザンヌ駅のホーム。普通にわんこを連れた人がいる。

スイスは物価が高い

Geneveの駅舎は、フランスよりはきれい、でもなんだか殺風景、という印象が残っている。ちなみにGeneve駅は、地図にコルナヴァン駅(Gare de Cornavin)と記載されているのだが、なぜだろう。

さて、駅でフランス・フランをスイス・フランに両替してジュネーブの町へ。
まずは小腹がすいたので、腹ごしらえ。フランスよりも物価が高く感じられる。

1994年当時、フランス・フランは1フラン=20円弱だったのに対し、1スイス・フラン=80円くらい。4倍近く価値の違いがあった。

画像5

 ※Geneveの街並み。光が強すぎて被写体が白っぽくなってしまった

まずはホテルにチェックイン。友人に教えてもらった”Hotel RHODANIA ホテル ロダニア”は駅からとても近く、優しそうな老夫婦2人でやっていて、いわゆる「ホテル」というより民宿的なアパルトマンという感じ。
バックパックで旅行している人たちもたくさ泊っているようだ。2階にフロントと食堂があり、上の階が客室になっている。
(2021年9月24日現在、ネットで検索したら、このホテルはまだ存在している。もう一度ホテルを覗いてみたい)

部屋の鍵が印象的で、金属のキーには直径5㎝くらいの金属の玉がついており、「あれ、鍵はどこへいった?」というような心配が絶対ない代物だ。どっしりした重さがある。

恐怖!エレベーター
さらに印象的だったのは、昔の映画に出てきそうな、古い手動のエレベーター。
扉は自動ではなく、手動でカチャっとドアのように開ける必要がある。エレベーターに乗ったら、また自分で扉を閉め、先ほどのどっしりとした玉付きキーを穴にさすと、ようやく動く。

ここで怖いのは、上下する箱の部分には扉がないこと。直に動いている壁が見えて、なかなかスリリングだ。目的階についたら、また自分で扉を開けて降りる。

私が宿泊した部屋は3人部屋。天井に梁が出ていて、小花模様のクロスが貼られている素朴な部屋だ。本当にアパルトマンみたい。広さは3人で十分に快適に過ごせる。バスルームはというと、浴槽baignoire はなく、シャワーdoucheのみ。

ちなみに、2泊3日、朝食付きで1人 83スイス・フラン(約6,600円)だったから、1泊10,000円弱の部屋ということか。

画像1

私たちの部屋は表通り側ではなかったけれど、裏のジュネーブが覗けて、少しだけ、住人の気分を味わえた。

画像8

※部屋からの眺め。向かいの家にはどんな人が住んでいるのだろう?

まずはレマン湖へ

部屋に荷物を置いて落ち着いたところで、皆で街に出ることにした。外出するときには、フロント前のフックに自分で鍵を掛けるようになっている。
とりあえずレマン湖 Lac Leman の方へ、緩やかな坂道をくだってゆく。季節柄、観光客がたくさんだ。 

と、先ほどから気になっていることが。レマン湖はまだ見えないが、レマン湖の方角にある建物の上から、なんか噴水みたいなものが見える。

あれはいったい何だろう?あそこから見えるということは、相当高くまで上がっているということだけど、何?・・・と、不思議な気持ちでレマン湖に着くと、やっぱり噴水だった!

ガイドブックをちゃんと見ておけば、ああ、あれか、とわかったのだろうが、これは Jet d'Eau ジェット・ドー(大噴水)という、140メートルも吹き上げられているレマン湖の有名スポットだった。なぜこんなに高く吹き上げられるのかは、企業秘密らしい。

レマン湖沿いには、Beau Rivage や De La Paix などの高級ホテルが軒を連ねている。いつか泊まりたいなと思いながら、横目でやり過ごす。
レマン湖のほとりまで行くと、ちょうど出航しようとする遊覧船があったので、乗船してみた。

私たちが乗ったのは<Les Belles Rives Genevoises>、美しきジュネーブの湖畔クルーズ、といったところだろうか、2等で21スイスフラン(約1600円)のコースだ。

IMG_1333 - コピー

※遊覧船のパンフレット

画像5

※遊覧船の上にて。右の女性の頭から上がっているように見えるのが大噴水 Jet d'Eau ジェットドー

上の写真のように、私たちは船首近くの甲板にずっと座っていたのだが、日差しが強くて暑いのに、湖上の風は寒い! なるべく当たらないように、体を内側に傾けていた。

レマン湖のほとりには、お城やら大邸宅がたくさん建っている。パンフレットにも、ここはロスチャイルド家の館、ここはジョゼフィーヌ皇后の別荘、などと記載されている。湖の風がこれだけ涼しいと、まさに避暑地だ。こんなところで夏を過ごしてみたいものだ。

画像8

画像6

    ※レマン湖のほとり。この写真の家は、ずいぶん庶民的でかわいらしい。

スイス初日は午後からの移動だったためあまり時間もなく、レマン湖クルーズのみ。明日の観光に備えて早めにホテルへ戻る。
明日も楽しみだ。”Short trip スイスへの旅2”に続く・・・



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?