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【メシ知恵#1】意外と知らない!?料理酒とみりんの違いを徹底解説

料理をする時に、砂糖と塩くらいの確率で登場する調味料が
この「料理酒」「みりん」
特に煮込み料理や汁物などの和食には欠かせない調味料ですよね。

でも皆さん料理酒とみりんの違いを、甘みだけだと思っていませんか?
実は他にも違うところってたくさんあるんです。

レシピ本を見てもこの2つは両方とも一緒に使うことも多いので、逆に違いを意識して使っている人が少ない調味料だと思います。

だからこそ、この違いを理解すると料理の幅もグッと広がると思うので是非参考にしてください!

【目次】
・料理酒の解説
 −そもそも料理酒とは
 −料理酒の効果
 −料理酒の代用
・みりんの解説
 −そもそもみりんとは
 −みりんの効果
 −みりんの代用
・料理酒とみりんの成分比較
・まとめ


【料理酒について】

まずは料理酒について解説していきます!

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■そもそも「料理酒」ってなに?
料理酒を一言で説明するならば、「日本酒に塩分を加えた調味料」です。

塩分濃度は海水に近い2~3%ほどなので結構しょっぱいですね。
料理酒を魚などの臭み消しとして使用される方も多いと思いますが、実は塩分が高く味にも大きく影響する調味料なんです。

ちょっと細かい話になりますが、日本酒の原料となる酒米は、磨けば磨くほどに味わいがシャープになり、雑味も減り飲みやすくなります。しかし、実はこの雑味がお米の旨味なんですね。
料理酒はあえて酒米の磨きを少なくすることで、旨味を高めているんです!
またその影響で日本酒に比べて、2〜3度アルコールが低く作られています。
ちなみに料理酒は塩がプラスされていて飲酒できないということで、酒税がかかりません
だから通常の日本酒に比べて安く購入できるんですね!

■料理酒の効果は?
①肉や魚などの生臭さを消す
料理酒には香気成分や有機酸が含まれており、これが生臭さを消す効果を発揮します。またアルコールの沸点は78℃と水に比べて低いため、料理酒を使って加熱することによって食材の匂い成分をアルコールと共に飛ばすことができるんです。

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②素材をやわらかくする
料理酒はタンパク質の網目状の組織の中に入り込んでタンパク質の水分を保つ働きがあり、加熱による水分の蒸発も防ぐことができるので、肉や魚をジューシーに仕上げることができます。お肉の下味をつける時に料理酒を入れて揉み込んでおくと、しっとり柔らかく調理できますよ!

③素材に味を染み込みやすくする
アルコールは素材への浸透性が高いため、肉じゃがなどの煮込み料理に料理酒を入れることによって、他の調味料が素材に染み込みやすくする効果があります。

④料理に旨みとコク、風味を加える
料理酒にはブドウ糖やアミノ酸、グルタミン酸などの旨味成分が含まれているため、加熱によってアルコールを飛ばした後もこの旨味成分が残り、料理にコクや風味を与えてくれます。

■料理酒がない時どうすればいい?
一番は日本酒がいいですね。できれば米と水だけで作られている「純米酒」が理想的です。ただ単純に食材を柔らかくするなどのアルコールによる効果を期待するのであれば、本みりんや焼酎、ビール、白ワインでも代用可能です!

料理レシピを見ていると、たまに料理酒ではなく「清酒」と書かれている場合がありますが、その場合は飲料用として販売されている一般的な日本酒を指しているので、もし料理酒で代用する場合はレシピ記載より塩分調味料を少なめに入れましょう!


【みりんについて】

次は意外と謎に包まれているみりんについて解説します!

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■そもそも「みりん」ってなに?
焼酎にもち米を入れ、米麹を混ぜてできたものがみりんとなります。みりんにはブドウ糖やオリゴ糖といった糖類が多く含まれており、この糖類が料理に甘みを付けるだけでなく、照りやツヤを与えてくれます。

みりんは、およそ40〜50%の糖分と約14%のアルコール分を含んだ超激甘の酒類であり、酒税法上の分類は「混成酒」というものになります。
つまり料理酒と違って酒税がかかり、酒類販売免許がないと販売できません。
だからみりんは料理酒に比べてちょっと高いんです。

そこで安くかつ酒類販売免許を持ってなくても販売できるように作られたのが、「みりん風調味料」。最近はこのみりん風調味料が増えてきたので、これと区別して一般的なみりんを「本みりん」と呼ぶことが多くなりました。

■みりん風調味料は本みりんと何が違うの?
みりん風調味料は、糖類に旨味や香料を混ぜてみりんに味を近づけた調味料であり、酒税がかからないように、アルコールは1%未満になるように作られています。
そのためみりんに比べて安く購入することができますが、アルコールが含まれていない分、食材の臭み消し効果がなくなり、煮崩れ防止の効果も弱くなります。

ただ、風味や照り効果を期待して使う場合は問題ないですし、アルコールを飛ばす手間もないので、加熱しない和え物などの料理にも使えるのが良いですね!

■みりんの効果は?
①肉や魚などの生臭さを消す
料理酒同様アルコールを含んでいるため、生臭さを消す効果があります。

②料理に上品な甘さとコクを加える
ブドウ糖やお腹に優しことで有名なオリゴ糖などの数種類の糖分が組み合わさり、みりんは優しい甘みに仕上がります。これは砂糖だけでは引き出すことの難しい甘さなんです。

③煮崩れ防止
みりんに含まれているアルコールと糖分の作用で、肉や魚の筋繊維の崩れや、野菜のデンプンが逃げ出すことを防ぐ効果があり、煮崩れ防止が期待できます。

④料理に照りやツヤを加える
みりんがもつ複数の糖類のおかげで、料理に使用するとテリとツヤを生み出します。見た目も綺麗に、美味しそうに仕上げるのには欠かせない要素ですね!

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これらの効果があるので、みりんは魚の煮付けや肉じゃがに最適な調味料なんです。

■みりんがない時どうすればいい?
みりん大さじ1の代用目安は、日本酒大さじ1+砂糖小さじ1です。もし料理酒+砂糖にする場合は、他の調味料の塩分を少し減らした方がいいと思います。
また甘みを近づけたいのであれば、はちみつやコーラなどでも代用可能です!


【料理酒とみりんの成分比較】
僕の家にある「料理酒」と「本みりん」での比較です。

●カロリー・・・料理酒12kcal:みりん41kcal
●炭水化物・・・料理酒0.2g:みりん7.3g
※大さじ1杯(15ml)あたりの成分

みりんヤバいですね笑
ダイエット中の方はみりんの入れすぎにご注意ください!!


【まとめ】
・料理酒は塩分、みりんは糖分
・食材を柔らかくしたいなら料理酒、身を引き締めて煮崩れを防ぎたいならみりん
・甘みを加えたいならみりん、甘みを抑えて旨味を加えるなら料理酒
・料理に照りやツヤを出したいならみりん
・食材の生臭さを消す効果はどちらもある