見出し画像

皇室の留学記がおもしろい。

彬子女王殿下のオックスフォード留学日記を読みました。

皇室という天上人の暮らしは、いったいどうなっているのだろう?留学日記といっても、ふつうの人々の暮らしとは相当かけはなれた、さぞかし優雅なものなんだろう、と思いながら読みすすめました。

ところが、予想に反してめちゃくちゃおもしろい内容でした。


作者は彬子女王

彬子女王は、今上天皇の再従妹はとこにあたります。お父様は三笠宮寬仁ともひと親王、ヒゲの殿下の愛称で知られています。

皇室の構成/宮内庁のページから引用させていただきました
★が彬子女王です ★デカすぎました…


おもしろかった点

1)側衛そくえいエピソード

皇族のそばで守ってくれる人のことを「側衛官そくえいかん」というようです。護衛ですね。護衛中のエピソードが彬子女王の鋭い視点でおもしろおかしく書かれています。


2)格安航空使うんですか

これにはおどろきました……。皇室が格安航空を使うとは思ってもみませんでした。ヨーロッパを移動する際に、時間と費用の問題から(え?!そうなの?)ときどき格安航空を利用していたそうです。

自分で予約したら、とんでもないところに到着してしまったり、空港までのタクシーの中での出来事など、皇室の方がこんな体験をするんですか、が満載です。


3)やっぱりプリンセス

日本だと側衛そくえいが必ずひとりはつくため、ひとりでお出かけ・旅行はないようです。EU圏内では2週間以上滞在する場合は、側衛そくえいはつかないため、生まれて初めてひとりで街を歩いたのがオックスフォードだったとのことです。

どこに行くにも誰かがついてくる生活だなんて、庶民のわたしだったら「たまにはひとりにして」と思ってしまいます。

バッキンガム宮殿に招かれエリザベス女王と二人きりでアフタヌーン・ティを楽しむ様子は、プリンセスならではの出来事ですが、この対談中の描写もおもしろいです。


寬仁ともひと親王の願いから

お父様から出された長期留学の条件のひとつが、「留学記を出すこと」だったそうです。この留学記を待ち望んでいましたが、寬仁《ともひと》親王は出版前に他界されました。

お父様も1971年/25歳のときに留学記を出版されています。Amazonには2万円の中古本しかありませんでした……。この本も読んでみたいな、再販されてほしいですね。


SNSでバズる

私はこの本を新聞で紹介されているのをみて購入しましたが、SNSで話題になったようでテレビにもご出演されていました。


* * *

日常生活のおもしろいエピソードだけでなく、留学の目的であった博士号取得までの過酷な研究生活、一般人となんらかわらない悩みや葛藤が、彬子女王の独特の観察力で描かれています。


最後までお読みくださりありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?