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22 轍学(前編)

4月19日にチームの先輩である朝山さんの哲学書が出版された。

これまで僕は、雑誌のコラム連載や書評、図書館で200人以上を前にした講演など、さまざまな本にまつわるお仕事をいただいてきた。

そしてこの度、本作品の解説と帯を書かせていただくことになった。

著者の坂上俊次さんは中国放送のアナウンサーで、図書館の講演会で一緒にお仕事をさせていただいたり、オフシーズンには本にまつわるお話をつまみにお酒を飲んだりもするような関係である。

そんなある日、坂上さんから「朝山さんの本を出版するので解説を寺嶋さんに頼みたいんです」と直接会った際に依頼をいただいた。

その場で、「えっ、僕でいいんですか?書かせてください」と二つ返事をすると、執筆期間について話した。

坂上さんは「どれくらいで書き終えられそうですかね」と聞いてきたが、解説を書くのは初めてのことなので、どれくらいかかるんのかは想像できなかったので、「あっ、任せますよ!期間決めていただけたらそれまでに書きますよ。」と強がるように伝えた気がする。

結局、2週間ほどいただいただろうか。

詳しく覚えていないが、僕には十分に書き終えられる期間だった。

ただ、一つ懸念点はあった。

朝山さんが引退発表をしてから、朝山さんとのエピソードや想いについてさまざまな媒体でインタビューを受け、既に世に発信されていた。
だから、これ以上書くことがあるのかという一抹の不安があったのだ。
でもそんな不安はパソコンの前に立つと一瞬で払拭された。

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