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2024年読書評5 三毛猫と黒猫

「水色の不思議」
斎藤洋
黒猫「ルドルフ」の作者の本はいくらか出ているのは知っていましたが、調べるとかなりな分野で、かなりな数の本を出しているようです。
本職は大学の先生だそうですが、そんなに暇なんでしょうか。

私はいつも言っていますが、人は1つの職に賭けた方がいいです。才能をひけらかしたり、片手間に仕事をすることは不遜だと思うからです。
それに世間には作家しかできない人もいて、作家になりたいけれどどうしてもなれない人も無数にいます。タレントをやりながら本を書く人たちは彼らをあざ笑っているように見えるわけです。

なぜ彼のようにマルチの才能のある人がいるか?
本人らは「努力してるんだ」というでしょうが、それも事実ですが、大きな要因は霊力であり、彼らがカルマを負っているからなのです。
なので彼らは大きな才能を持っている反面、やりすぎは禁物なのです。

さて
本書は、
長編か、短編集か、同じ主軸の主人公=おじさんがいて、それを導く少女がいる。いつも幽霊エピソードで交流するというもの。
私の想像ではおじさんの前に現れる不思議な少女、実は幽霊で、このおじさんの亡くなった奥さんの子供の頃、ではないか、というものでしたが、しかし、本の最後でもその正体は明かされませんでした。
これは読み切りではなく、シリーズであるようで他に「オレンジ色の不思議」というのもあるようです。これは読んでいませんが、
でも作者にはこの少女の正体は設定されているはずです。どこかで明かされるのでしょう。

感想としてはまあまあ面白かったけれど、
子供向けの本は読みづらさがあります。というのも、行間が開きすぎていたり、ハードカバーなので気楽に手の中に納まらないし、ひらがなが多いのもよみづらい要因。

漢字を多くして大人向けの文庫か、岩波とか青い鳥みたいな新書にした方が読みやすいかも。


「三毛猫ホームズのポルターガイスト」
これは昭和63年=1988年の作品。

テレビ関係者から自殺者の出た空き家の番組出演依頼を受ける、片山刑事。
すると番組出演者のミュージシャンのマネージャーが殺され、空き家の所有者が殺される。
その幽霊屋敷には実際に若い女性の幽霊がいて、片山は親しくなる。

本作は珍しく超常現象を扱っています。
でも、それ以外は普通の犯人捜しの推理小説となっている手法です。

私の読んだところ、
いつものキャラクターが出て、ユーモアがあり、地の文も笑わせようとしているので本来の三毛猫ホームズとなっています。
しかし、あまり話に冒険性がないせいか、登場人物が乱暴される話であるせいか、つっかえつっかえして、ようやく読んだという感じです。

読者に面白いと思わせる小説は、これはドラマや映画でもそうなのですが、表現がうまいか、話しの先を知りたくなる構成になっているか、だと思います。
この先どうなるのだろう、主人公はどうなってしまうのだろうと。

それがサスペンスであり、推理小説だからないがしろにしてもいいというものでもないと思うのです。

ハラハラ、ワクワクが必要ということです。


「僕が探偵だった夏」 
内田康夫

内田康夫のものは昔短編集を一冊読んだだけ。
なぜかというと、彼には「なんとか殺人事件」というのが多すぎで、浅見光彦シリーズというのがワンパターンすぎる感じがしたから。(つまらないドラマが量産されているではないか。1つだけ途中から見たことがある)
しかし、児童ものを見つけ読むことに。
すると出だしからあまり面白くない。展開が遅い。

ということで放棄。

ネットで書評を見ると、あるサイトではみんな褒めている。
そして個人で感想を書いているサイトを見ると、評価は低く、「空っぽの小説」で「ファンだけこんなものを読んで喜ぶんだろう」、という感想。

私はこちらが正しいと思いました。
別に内田さんに恨みはありません。



「三毛猫ホームズと愛の花束」
赤川次郎
短編集
昭和63年 1988年 シリーズ15作目

4つの話が入っています。
「三毛猫ホームズの名騎手」
路上で酔っ払いが馬を見る。やがてその男は殺され、もう一人殺される。
彼らには共通点があり、昔の仲間だった。その仲間は4人ほどで過去のある男たちだった、というもの。

馬が事件に関係してくるのはシャーロックホームズものの「シルバーブレイズ」に影響されたのでしょうか。
事件の裏に過去が関係するところも、他のホームズものに似ています。
しかし日本の都会で深夜、馬が現れるというのは、つまり、そのような犯行をするというのは不自然に感じました。

「三毛猫ホームズの夜更かし」
泥棒が盗みに入った家で殺人事件がある。濡れ衣を着せられた男は逃げ、警察は娘をマークする。一方、飲食店で働く娘と知り合った片山は娘の手助けをすることとなる。

冒頭、泥棒が言います。「嫌な世の中になったもんだ」
これは1988年の小説ですが、私はCMを見て2024年に同じセリフを言いました。
いつの時代も「嫌な時代になった」と誰しもつぶやくのかも知れません。

「三毛猫ホームズの幽霊城主」
劇団の俳優たちと共にそのパトロンの城に招待される片山一行。そこで殺人事件が起こる。

城というのはなかなか日本にはないし、ましてや潮の満ち引きで孤島になる、モンサンミッシェルみたいなところはまず存在しないでしょう。
でも創作だからいいか。
もし長編にしたらアガサクリスティーみたいになったのでしょうか。

「三毛猫ホームズと愛の花束」
結婚相談センター 脅迫を受けていたので、係の女性は同じアパートに住む刑事片山に相談しようとする ほどなく他の係の女性がエレベーターが開いたとたん撃たれる 

脅迫文は結婚をもてあそんでいる会社にあてつけたものでしたが、
相談所というのは阿漕な商売をしているのかも知れません。
入会金、紹介料、カップルが決まるといくら、みたいに
そして小説の中の社長はとにかく、カップルが決まりさせすればいい、というスタンス。つまり商売以外の何物でもないということです。

これは現代にも言えるのではないだろうか。現代は婚活というのが盛んだし、出会い系も盛況。
そういった隙をついて、商売にしたり、人を騙すことは世として改善されなければいけないのかも。



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