≪コラム≫ 減給の制裁は人権侵害?
少し驚いた相談事例がありましたのでご紹介させて頂きます。
RBA(Responsible Business Alliance)行動規範とは、電子機器業界中心に、安全な労働環境、労働者の保護、環境負荷に対する責任を促進するために示した基準であり、2004年にHP, IBM, DELLなどが中心となって作成したEICC (Electronics Industry Code of Conduct)が業界の枠を広げるために改称し制定されたものです。
近年、サプライヤーに対してRBA行動規範を遵守することを求める企業が増えており、この度、顧問先様が、RBAに加盟するメーカーからこの監査を受け、懲戒処分における「減給の制裁」は人権侵害であるからこれを削除しない限り取引は継続できないと指摘されたとの事でした。
上記は、我が国一般的な懲戒処分の程度であり、1.が一番軽く、6.が一番厳しい処分になります。
2.の減給の制裁は、懲戒処分としては二番目に軽いものであるにも関わらず、なぜこれが人権侵害として取り上げられたのでしょうか。
おそらく・・・
である一方・・・
という事なのでしょうか。
ご承知の通り、減給の制裁制度は、我が国では労働基準法第91条により認められています。
一方、ILO(国際労働機関)では次のように示されています。
経済がグローバル化する中で国際的な影響を受ける事はある程度やむを得ない事なのかもしれませんが、メーカーがサプライヤーに対し、労働契約法第一条に基づく労使自治の原則を軽んじて、労働基準法に基づく合法的な制裁システム(人事権)に実態として過剰介入するのは、行き過ぎではないかと思料します。
Ⓒ Yodogawa Labor Management Society
社会保険労務士法人 淀川労務協会
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