マガジンのカバー画像

玖躬琉の部屋

107
長い独り言や自身の経験を織り交ぜた随筆やエッセイらしきものもこちらで。
運営しているクリエイター

2019年10月の記事一覧

産声(3)

2019年9月5日 19:50 最後の曲がり角を通り、SLYがあるテナントに近づくと、そこには既にギターケースを背負ったNさんが立っていた。 「あー淀ちゃんさーん!」 「こんばんわぁ。遠いところありがとうございました。待ちましたか?」 「いえいえ!さっき来たところです。ホテルはこのすぐ近くなので。」 「SLYまだ開いてませんね…少し待ちましょうか。あ、紹介します。娘の理迦です。」 私は理迦の後ろへ下がり、彼女に前へ行くように促した。 「あ、あの、初めまして。理迦です。

#手書きnoteを書こう~日常のコンテンツ企画風景など~

企画発案者のdice_24(だいすーけ)様 改めまして初めまして。玖躬琉(くくる)です。ヤンキーみたいな漢字名です。この度は物凄い勢いで飛び入り参加させて頂きありがとうございました。 実はこの企画を見つけたのが約20分前。運営している競馬予想サイトのYouTube用コンテンツを、ひとり煮詰まりながら企画中で、一息つきながらnoteを開いたら・・・見つけちゃいました。 その流れで手書きで書いたのがこちら↑↑。 こんなことやってるから進まないんだよな…なんて言わないで<(

笑う門にはごめんなさい

何か面白いことがあれば笑うんです。笑うようになりました。 ただ最近、変わったなあーと思うのは、私が笑うきっかけになるものが、「文字を追って笑うようになった」事。 読書好きな方なら当たり前の事でしょうか。 先日行われた10/6のnote酒場でお会いした「noter」と呼ばれているの方々の文章をたくさん読むようになって、「言葉」に対する思い入れが随分と変わりました。いっちょ前に図書館も行くようになって。 毎日noteを覗いては、「ん?今日は違うエッセンス入ってるな。」とか「

産声(2)

「やりたい!」即答のLINEがはいった。 当たり前だ。そうでなくてどうする我が娘。 「Nさん是非やらせてください。ありがとうございます。早速ですが、ギターの受け渡しは如何しましょう。」 「…あ、ですよね。全然考えてなかった…どうしましょうか。」 Nさんはやると決めたら一直線の人。こんな風に「フッ」と何かが抜けてしまうところもまた、Nさんだ。少し笑ってしまった。 「宜しければ娘と共に東京まで出向きますよ(笑)。私は楽器に関して素人ですし、他に要望もあるかと思いますので。直

産声(1)

静岡から名古屋へ帰って、再就職先も決まり、絶賛CADオペ研修中の娘。 もともと亡くなった主人が仕事で使用していた関係で、CADは小さい頃からおもちゃ代わりにしていて、今のところ順調に研修は進んでいるようだ。 ただこれは、本来の目標である「ギターリペア職人」への道へ進むための布石に過ぎず、いきなり職人として生計を立てられると思っていない前提の選択。 ニートにはさせませんよ。もう巣立ったのですから。 (あ、ごめんなさい。ニートに『させてやれなかった』ってのが正解。自分も生活ギ

マッチ

マッチを擦っては、火を点ける。 私はその火が消えないように そっと手を添えあなたへ贈る。 触れそうで触れない隙間をあけて あなたは私の手を包み くわえた煙草に火をつける。 「どうしたの?その指」 「あ…これ?こないだ、お客さんのボトル下ろした時に、栓をうまく開けられなくて、切っちゃったの。」 「ダメじゃない。せっかく綺麗な指してるのに。煙草吸うたびに心配になるだろ?」 「ふふ。じゃあ栓を開けなくてもいいお仕事探さなくちゃ。」 「辞めなくても、今度ボトル下ろすときは、

#あの恋:少しは私に愛をください

少しは私に愛をください あなたに全てを 捧げた私だもの 一度も咲かずに散っていきそうな バラが鏡に映っているわ 少しは私に愛をください お店にあなたが来た時、私が必ず歌うことを、あなたは気付かなかったでしょう? だっていつもあの子と楽しそうで、私は見ているだけだったから。 それでも一通だけ私に手紙をくれたことがあったわね・・・ たまには手紙を書いてください いつでもあなたを想う私だもの あなたの心のほんの片隅に 私の名前を残して欲しいの たまには手紙をかいてください

お姫様病を治療中です。

普段はよく「強い人」「姉御肌」「人づきあいがうまい」などと言われることが多いです。 そうかもしれません。 そう言う自分でありたいと願い、そうなるようにベクトルを向け歩いているのは事実です。 「笑顔で」「元気で」…その「プラス」のエネルギーが外で誰かに触れた時に、「元気になった」と言ってくださる方もいて、嬉しいときもあるから。 感染しますよね、そういうのって。 ただ、 世間的に「マイナス」に捉えられるステイタスを使い、甘えたくなる自分も鏡合わせに棲んでいて、そのマイナス

note酒場の住人は

2019年10月6日 「次は外苑前。外苑前です。お降りの際は足元にご注意ください」 電車内にアナウンスが流れている。 おいおい、先週ヤクルトの最終戦見に行ったばっかりでしょ… ええ。先週もいましたよ。外苑前。神宮レモン美味しかったー! もっと言えばね 先々週は浅草でyoutube撮影でしたし。 ガリとビールと競馬で盛り上がりましたとも。 私?愛知県ですけどなにか。 こないだ9月分の領収書を整理した時、交通費で白目になりました(笑) さて今回は 第2回note酒場へ

どうぞこのまま

最近チーママ稼業も板についてきて、私を20年以上前にごひいきくださったお客様が、私が復帰したことを風の噂に聞きつけて、「生きてたの?ほんとにるみちゃん?(仮名)」「そうですよーご無沙汰しております」「おお、ババアになったけど相変わらず可愛いねー」「ババアだけ余計!」なんてやり取りから始まって、昔話に花が咲き、その頃流行っていた工藤静香や中森明菜、演歌やデュエットなんかを唄い、お互いが元気に再会できたのを喜ぶ時間を頂いています。 同じ数だけ三途の川を渡った方もいらっしゃる。私