見出し画像

なぜ成功事例を真似してもうまくいかないのか|マーケティング

ネット上に流れている様々な○○マーケティングの広告。

成功事例を用いたアピールには、説得力を感じてしまいます。

当然のことながら、成功事例を模倣される方が今も昔も多いのですが、うまくいかないことの方が多い印象です。

ある時、模倣したけれどうまくいかない中で、成功事例の捉え方を勘違いしていたことに気がつきました。

もちろん、成功事例の模倣自体は悪くありません。
ただ、模倣に頼ると、思考停止に陥りやすくなるので注意が必要です。

成功事例の模倣は、あくまで、知識と経験が不足している分野でスタートを切るための足掛かりでしかなく、そこから、仮説検証や試行錯誤を繰り返し、自社の勝ちパターンを導き出す、というアプローチが必要なのです。

なぜなら、一社一社、ビジネスを構築しているパラメータと企業の成長ステージが異なるからです。

ビジネスを構築しているパラメータの例としては、商材・サービス・知名度(ブランド)・需要トレンド・ターゲット層などが挙げられます。

企業の成長ステージについては、創業まもない企業、成長途上の企業、円熟期を迎えている企業、停滞している企業では、目標やアプローチが異なります。

同じ業界であっても、パラメータと成長ステージが異なるのが普通ですので、同じことをして、同じ成果がでるわけがないのです。

例えば、メルマガ一つとっても、件名、配信内容、配信対象、配信回数、配信日時など、成功事例通りにやってもうまくいかないことが多く、今では語り尽くせぬほどの方法論に溢れ、迷宮のようになっています。いかに、パラメータが多様であるかを如実に物語っています。

成功事例で紹介される企業は、一朝一夕で成し得た訳ではありません。

相応の時間をかけて、知識と経験を蓄積し、あるいは人材を育成するなど、地道な努力の継続によって辿り着いたことを忘れてはなりません。

そうした先人の成功事例によって、私たちは、ツールやパッケージのような形で、ノウハウの一部を取り組みやすい形として享受しているのです。

登山に例えると、七合目まで車で楽に行けるようになったようなものです。
そこから先のルートは、自分たちで地図を見ながら探していくしかないのです。

成功事例の模倣は、あくまで、課題解決のために早くスタートを切るためのきっかけに過ぎないことに気づいた時に見えてきたもう一つの視点は、普段から、自社のビジネスをいかに正しく把握しておくことが大切かということです。

結局のところ、自社の正しい理解が、他社の成功事例の模倣から自社の成功までのルートを導き出すための地図を与えてくれるのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?