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【資産形成】インデックス投信がいいらしいけど、そもそもインデックスって何?というあなたへ

資産形成の一番最初に書いた「初めての資産形成は何も考えずにこれだけ買っておけばいい!」という記事は、私が絶対の自信を持って書かせて頂いているものです。

自信を持って書いてますから、私は今も米国市場が大幅調整(いわゆる暴落)した時には、S&P500のインデックス投資信託を、その都度、買い増しをして、今まで買ってきた分も含め、そのまましっかりと保有しています。
(株の世界では「ガチホ(ガッチリホールド)」といいます)

とは言え、S&P500以外にもインデックスはありますし、そもそもインデックスってどういうものなの?ということを少し書いてみたいと思います。


■代表的なインデックス

「index(インデックス)」という単語そのものの意味は、「索引」「見出し」「添字」「指数」などになりますが、投資の世界では「指数」という意味で使います。

投資の世界では、指数とは金融市場や経済全体の変動をポイントやパーセンテージで示した指標のこと、になります。

ちょっと分かりにくいですかね。

私なりに分かりやすく言うと、ある一定範囲の金融商品の動きを、何らかの計算式を用いて点数化したり、パーセントで表したりしたものです。
株価の動きを指数化したS&P500やNYダウ、日経平均などもあれば、株価の変動率から算出される投資家の心理を指数化した恐怖指数(VIX指数)なんていうものもあります。

■アメリカの株式インデックス

株式インデックスの元祖は、ウォールストリート・ジャーナルを発行していたダウ・ジョーンズ社が、アメリカのさまざまな業種の代表的な銘柄を選出して、その平均株価を指数化した「ダウ平均株価」というものになります。

最初のスタート時は12銘柄だったそうですが、今は「ダウ工業株30種平均」、「ダウ輸送株20種平均」、「公共株15種平均」の3種類と、これらをあわせた「ダウ総合65種平均」があります。

ダウの中でもっともポピュラーなモノが、「NYダウ」とか「ダウ30」とか、単なる「ダウ」とも呼ばれる「ダウ工業株30種平均」です。

ダウ平均株価以外の代表的な株価指数として、S&P500やナスダック総合指数などがあります。

・NYダウ(ダウ工業株30種平均)

NYダウは、ダウ・ジョーンズが米国を代表する優良30銘柄を選出し、指数化したものです。指数化の計算式は、平均株価というだけあって選出した銘柄の株価を足して銘柄数で割った平均単純になります。

・S&P500

S&P500は、アメリカ合衆国の投資情報会社であるスタンダード・アンド・プアーズ社がニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄を選出し、指数化したものです。

指数化の計算式は、対象銘柄の時価総額合計を一時点での時価総額合計で割って算出されるものになり、1941年から1943年の平均を10として算出されています。(ダウが単純平均なのに対して、こちらは時価総額加重平均という計算式になります。)

よく分かんないですよね。。

S&P500のインデックス投信を一番におススメしていますから、少し細かく解説してみます。

NYダウとの違いは、その名のとおり、選出している銘柄数が違う点と計算式が単純平均ではなくて加重平均であるということです。銘柄の数はいいですけど、単純平均と加重平均の差が分かりにくですかね。

単純平均と加重平均とでは、どういうふうに変わってくるかといいますと。。

A社の株価は50円、B社の株価が100円だとその単純平均株価は、50円と100円を足して、2社ですから2で割って、75円になります。

でも、A社の株式発行数が200株、B社の株式発行数が50株だとすると、50円×200株の1000円と100円×50株の5000円の合計6000円になります。で、株式数が合計250株なので、この6000円と250株から1株あたりの平均値を出すと6000÷250で24円となります。これが加重平均ということです。

何となく数学的には加重平均の方が緻密っぽい感じがしますよね。
というか、株価が格段に違うものを集めて単純平均にすると、高額な株価がちょっと動くとその単純平均が大きく動くことが分かると思います。
したがって、世界の多くの株価指数がこの加重平均を用いた、時価総額加重平均方式を採用しています。

まあ、アメリカの株式市場全体の平均値、と思って眺めていればいいと思います。

・ナスダック総合指数

ナスダック総合指数は、「NASDAQ」に上場している約5,500銘柄の全てを対象に、時価総額加重平均で算出した指数です。1971年2月5日に於ける終値を基準値「100」として定めています。

NYダウは30銘柄、S&P500は500銘柄、こちらはNASDAQの約5,500銘柄全部ということになりますから、市場平均値ということでは、一番ブレない株価インデックスですね。

指数全体に対して、シリコンバレーのハイテク株やIT関連株の占める割合が高いため、その業績動向を反映しやすいといわれています。有名どころでは、デル、インテル、マイクロソフト、ディレクTV、シスコ、オラクル、イーベイ、ヤフー、アップルなどがあります。
アップルなどは時価総額が世界一ですから、単純平均方式で株価指数を計算したら、その影響は甚大ですよね。

■日本の株式インデックス

日本の株式インデックスで有名なのは、誰もが知っている「日経平均株価(俗に言う、日経平均、日経225)」ですね。
その他では「TOPIX(東証株価指数)」の他、「JPX日経インデックス400」といったところが、そこそこメジャーなインデックスになります。

それ以外にも「東証マザース指数」や「ジャスダック指数」の他、TOPIXの亜種のような「TOPIX Core 30」や「TOPIX Large 70」、「TOPIX Mid 400」 などがあります。

ここでは日本の経済指標として採用されている「日経平均株価(日経225)」と「TOPIX(東証株価指数)」を解説してみます。

・日経平均株価(日経平均、日経225)

日経平均株価は、俗に言う「日経平均」であり、別名「日経225」といわれるものです。
1950年に東京証券取引所が「東証第1部修正平均株価」という名前でダウと同じ平均株価方式で算出をしたことをその始まりとし、1970年に日経新聞がその指数の算出と公表を引き継ぎ、1985年に「日経平均株価」という名称に変更になって、現在に至っています。

日経平均株価は別名の「日経225」が示すとおり、東証第一部上場銘柄のうち、取引が活発で、流動性の高い225銘柄を選定し、ダウ平均株価の株価平均型方式を基にした計算方法で算出しています。

日本の株価指標として最も知名度の高い株式指標であるため、完全に民間が作成している経済指標でありながら、日本国政府の経済統計としても使われています。

・東証株価指数(TOPIX)

東証株価指数(TOPIX)は、東証第一部上場株の時価総額の合計を終値ベースで評価し、昭和43年(1968年)1月4日を基準日とし、その日の時価総額を100として、指数化したものです。

何かさっきアメリカでも同じような、ある一時期の数字を基準として算出する、ってありましたよね。
はい、S&P500です。
東証株価指数(TOPIX)も加重平均算出方式を採用しています。

また、企業間での株式の持ち合いを考慮して、浮動株分(安定した株主が保有している株ではなく、マーケットで流通し売買される株のこと)の時価総額によって算出する「浮動株基準株価指数」となっています。

まあ、算出方式は別にして、東証一部上場全部で計算する株価指数、と思っていればいいと思います。
(アメリカのyahoo.comで出てこないあたり、世界的にはマイナーな指数になっているのかもしれません。)

■インデックス投資信託(ファンド)という金融商品

投資の世界でいうところのインデックスというものが、株価や債券価格など、金融市場や経済全体の変動をポイントやパーセンテージで示した指標・指数であるということは先に述べたとおりです。

その指数であるインデックスに連動させることを目指して運用する指数連動型の投資信託(ファンド)を「インデックス投資信託(ファンド)」といい、投資信託の内容を記載した目論見書のなかで各種指数に連動する運用成果を目指す旨の記載が必ずあります。

概ね「SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド」といったように、投資信託の名称に「インデックス」という言葉が入ってきますので、分かりやすいと思います。

「~インデックス」という名称の投資信託があれば、何か(~の部分)の指数に連動させることを目指してる投資信託である、と考えれば問題ありません。

インデックス投資信託の大きな特徴としては、決まった計算式の指数に連動することを目的としていますので、運用コスト(信託報酬)が安く、ほとんどのものが販売手数料も無料(ノーロード)となっています。

・ETF(上場投資信託)

インデックス投資信託のもう一つの形として、ETF(上場投資信託)といわれるものがあります。

ETFとは、証券取引所 (Exchange)に上場して、株式と同じように取引(Traded)される、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託(Funds)で、 「Exchange Traded Funds」の頭文字をとったものです。

普通のインデックス投資信託と何が違うかといえば、ETFは上場しているので株式と同じように市場が開いているときに、その時に刻々と変わる(実際にあまり変動はありませんが)取引値で取引できますが、普通の投資信託は、1日に1つの基準価額が決定し、その額で取引するということになります。
また、指数に連動させる仕組みの違いにより、ETFの方がコスト(信託報酬)が若干低くなっています。

こう書くとインデックス投資信託を購入するよりもETFを購入した方が良いことばかりに見えますが、インデックス投資信託は概ね1万円から(積立の場合は1千円から)購入することが可能ですが、ETFは株式と同じように一定規模の金額(10万円超がほとんど)が必要であり、株式と同様、取引手数料が必要になります。

ですので、インデックス投資信託の販売手数料が無料であったり、信託報酬などの維持コストも大幅に低くなった現在では、ETFよりもインデックス投資信託の方が投資しやすいかもしれませんね。

■インデックス投資信託の賢そうな購入方法

投資信託は、「投資を信じられる人にその運用を託す」ものでありますから、他人に運用をしてもらうので運用報酬を払う必要があり、それが信託報酬というものになります。

投資信託には、多かれ少なかれ、運用してもらうための信託報酬は必ずコストとして必要になるので、投資家である我々は信託報酬額が安く、運用成績が良い、投資信託を選ぶ必要があるわけです。

あまたの投資信託がありますが、インデックス投資信託は何らかの計算式の決まった指数に合致させる運用を目指すものですから、信託報酬も非常に安いですし、そもそも購入手数料が不要なものがほとんどです。

また、インデックス投資信託は、積立購入する場合、1千円から購入できる場合がほとんどですので、小額から投資を始められます。

そこで、毎月一定額を自動引き落としによる積立形式でノーロードのインデックス投資信託を購入していき、購入規模がそれなりの規模(概ね50万円から100万円ぐらい)になったら、一度、投資信託を解約して、ETFに乗り換えホールドしていく、というのが、相場の変動をも踏まえた賢そうな購入方法としてよく語り継がれています。

もちろん、この賢そうな購入方法がおかしいということはないのですが、現在はETFの信託報酬とインデックス投資信託の信託報酬にそれほど大きな乖離がないので、数百万円ぐらいの規模になるまではノーロードでインデックス投資信託を購入したままでもよいような気がします。

■インデックス投資信託(ファンド)まとめ

かなりザックリでしたが、インデックスとは何か?インデックス投信とは何か?がお分かり頂けましたでしょうか。

冒頭の「インデックス投信ってナニモノですか?」って問いの回答ですが、「なんとかインデックス投信(ファンド)」とありましたら、その「なんとか」の市場全体に投資する投資信託だと思っていただければ結構です。

Jリートインデックス投信であればJリートの全体に投資するもの、先進国株式インデックス投信であれば先進国の株式全体に投資するもの、S&P500インデックス投信であれば米国株式全体(厳密には500ですが)に投資するもの、と考えてください。

インデックスは市場全体に投資するものになりますから、業界ごとの浮き沈みや個別企業の倒産による株式の紙くず化などとは無縁の投資になります。おまけにコストが安いときています。

世界経済が今後も成長を続けていくという立場に立った場合、最も安全かつ確実、余計な頭脳を必要としない資産の運用方法として、ETFも含めたインデックス投資は最強の投資方法といわれています。

私も全くの同感でして、ペーパーベースの投資では、インデックス投資は資産形成のため、個別銘柄への投資は趣味と実益のため、といった位置づけで投資を楽しんでいます。

毎月一定額を自動引き落としの形で、「先進国株式インデックス」や「ダウジョーンズインデックス」などのインデックス投資信託を積立購入していく「ほったらかし資産運用」は、個人的にとてもおすすめできる投資方法だと考えています。

日々の相場の動きを気にすることなく、休日にノンビリと資産運用額をコーヒーでも飲みながら確認するぐらいの余裕を持った大人の投資スタイルといってもいいかもしれません。

もちろん、一番おススメは「S&P500インデックス投資信託」の積立投資ですけど、いろいろなバリエーションのインデックスを組み立てるのも楽しいと思います。

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