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小学生向け 読書感想文 「嫌われる勇気」その28 ※私の見解も含めて、小学生向けに分かりやすく紹介しています

「勇気(ゆうき)づけ」というアプローチ

課題(かだい)の分離(ぶんり)について話していくと、「介入(かいにゅう)」という言葉(ことば)がでてくる。他者(たしゃ)の課題(かだい)に対(たい)して、土足(どそく)で踏(ふ)み込(こ)んでいくような行為(こうい)のことだ。

じゃあ何で人は「介入(かいにゅう)」してしまうんだろうか?これはじつは「縦(たて)の関係(かんけい)」にあるんだ。対人関係(たいじんかんけい)を縦の関係でとらえ、相手(あいて)を自分(じぶん)より低(ひく)くみているからこそ、介入(かいにゅう)してしまうんだよ。

介入にはならない「援助(えんじょ)」をすることが大事(だいじ)なんだ。

この援助(えんじょ)とは、大前提(だいぜんてい)に課題の分離があり、横(よこ)の関係(かんけい)があるんだよ。

たとえば、勉強(べんきょう)をしない子どもがいたとする。そこで勉強しなさいと言うのは簡単(かんたん)だけど、それでは介入(かいにゅう)だよね。この場合(ばあい)は、勉強は子どもの課題(かだい)である、と理解(りかい)したうえで、できることを考える。本人(ほんにん)に「自分は勉強(べんきょう)ができるのだ」と自信(じしん)をもち、自らの力で課題(かだい)に立ち向かっていけるように働(はたら)きかけていくんだね。

この働(はたら)きかけは無理(むり)やりではなくて、課題を分離したまま、自力(じりき)での解決(かいけつ)を援助(えんじょ)することなんだよ。

こうした横の関係に基(もと)づく援助のことを、アドラー心理学(しんりがく)では、「勇気(ゆうき)づけ」と呼(よ)んでいるんだ。

人が課題(かだい)の前(まえ)で踏みとどまるのは、その人に能力(のうりょく)がないからではなくて、単(たん)に課題に立ち向かう勇気がくじかれているだけなんだ。だからこそ、そのくじかれた勇気を取(と)り戻(もど)すことが先決(せんけつ)だよね。

この勇気を取り戻させるために、人をほめてはいけないんだ。なぜなら、人はほめられることによって、「自分には能力(のうりょく)がない」という信念(しんねん)を形成(けいせい)していくんだから。

もしほめてもらうことに喜(よろこ)びを感(かん)じているのなら、それは縦の関係に世界(せかい)を見ていて、「自分には能力がない」と認(みと)めているのと同(おな)じなんだよ。ほめることは「能力のある人が能力のない人に下す評価(ひょうか)」なんだからね。

まずは課題を分離すること、そしてお互(たが)いが違(ちが)うことを受け入れながら、対等(たいとう)な横の関係を築(きず)くこと、「勇気づけ」は、その先にあるアプローチなんだ。


今日はここまで。次は、「自分には価値(かち)があると思えるために」について説明(せつめい)していくね。

それではまた明日!

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