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2022 TJAR Day7 南アルプス下山

茶臼小屋から畑薙ダム

大きな応援を受け、茶臼岳から下山をはじめました。
やはり下りは両足の内ももが痛く、ストックをついてやっと下れる状態でした。何時間かかるのか、雨が少し弱まってきたこと、高度を下げていく安心感が心の支えでした。
眠気も強く、幻覚もでてきており、いろいろなものが人の形にみえました。
遠くからみると人に見えるのに近くにいくと木だったり石だったり。ここでも幻覚は楽しみました。
そして、急遽、私にスイーパーの方がついた模様。
以下、スイーパーの須田さんがとってくれた写真。
表情もまったくなく、暗くホラーです。。

表情がない…
階段もなんと手すりを使って

一歩一歩。なかなか時計に表示される高度が下がらず、気が遠くなりそうでした。
時々、スイーパーの須田さんの姿が見えるのが心の支えでした。もっと早く降りられれば、迷惑をかけずにすむのにと思いました。本当にスタッフの方々には感謝です。

ウソッコ小屋

気温が上がってきたので腰を下ろし、暑くなってきたため、レインを脱ぎ、なんとか着替えました。(写真は常に下を見ています…)
まだ畑薙ダムへは長い、ただただ、耐えて下山するしかない。
このときは、絶望と希望が交錯するような気持ちだったような気がします。

before
After

ヤレヤレ峠へ

ダムが見えつつもなかなか着かない。
IBUKIで異変を感じたのか、山仲間いたちゃんが様子をみにきてくれました。
突然の出来事で頭もぼーっとしていたので、誰だかわからない状態。
意識が朦朧としていました。
でも、安全に下ること、絶対ゴールする気持ちは消えていませんでした。

ヤレヤレ峠の前で、山仲間いたちゃんが心配し、またしても、応援に駆けつけてくれた。こんな深くまで本当に本当にありがたい。ただ、頭がぼけていたようで、しばらく違う人と思って話していた。。あとで聞くと相当疲れ切っていてやばい姿だったとのこと。もっと話したかったが並走は不可のため先に行ってもらう。トレイルランナーいたちゃんの走りは速く、あっという間に消えてしまった。

2022報告書
様子を見に来てくれた友
自分ではないみたいな顔… by いたちゃんphoto

そして、畑薙大吊橋へ

最後の吊橋への最後の下りが急な坂で、最高潮に足が痛かった。
これを下りさえすればあとは、平地と緩い下り。多分歩ける。微かな希望。

長い長い下りが終わりました。コースタイムの2倍はかかった気がします。

畑薙大吊橋
ようやく平地へ

最後のつり橋への下りは痛く、きつかった。つり橋を渡り終え、これから平地であることに安堵する。スイーパーの須田さんも、再度、声をかけてくれて嬉しかった。この時点で時間に余裕がないとはそれほど思っていなかった。

2022報告書

下山した喜びと安心感。
でもここからが、TJARの真骨頂。
時間と距離の感覚がなくなる。ゴールはまだまだ遠かった。

続く

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