道徳感情を生む共感
『道徳感情論』アダム・スミス
国富論”神のみえざる手”で有名な、
経済学の父アダム・スミス。
国富論よりも前に執筆されている『道徳感情論』についてのご紹介です。
経済学者に加え、哲学者・倫理学者の顔も持っていることは知りませんでした。
本書では、
「人間の道徳感情や行動の基盤は何か」
について深く考察されています。
「人間の習性」や「社会の感情構造」
について知ることがでます。
人間の道徳感情の基盤
本書のはじまりです。
アダムスミスは「共感」や「同情」が、
人間の道徳的感情の中核をなす要素であると
考えました。さらに心からの共感には、
以下が必要と説明しています。
・他人の情念(感情)を想像できること
・情念をかき立てた原因を知ること。
心から共感すること
これだけでも大きな示唆を与えてくれます。
① 道徳感情の基盤は「共感」
→【共感は重要キーワード】
② 他人の気持ちを想像できることが必要
→【想像力が必要】
③ 他人の感情の原因を知ること
→【他者へ関心を持つこと】
ドキュメンタリーなど人のストリーがあって
こそ感動する理由がわかります。
これらは人間すべてに当てはまる基盤。
「自分がつらいとき、今何が足りないのか」
「誰かを幸せにしたいとき、今何が必要か」
それらを考えるヒントになると思います。
また、この習性があるからこそ人は悩む。
この習性を突破できれば心の平静が訪れる。
さらに、アダム・スミスは、社会的規範や秩序が個人の道徳感情に基づいて形成されると論じています。
同情や公正さが広まることで、社会はより健全で安定した状態になるという彼の考え方は、倫理学や社会学においても重要な視点として評価されています。
そのほかにも、以下のような「はっ」とする
内容も出会うことが。中学一年生になる娘との関係にも活かしたいと思います。
非常に分厚い本ですが、
・人間の道徳感情の理解
・個人と社会の相互作用の理解
・社会的規範と秩序の形成に関する理解
におすすめの本です。
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