児童文学は失われたのか
子どもに『はてしない物語』を読み始めた。
主人公のバスチアン・バルタザール・ブックス10才は日々の現実がつらい。空想好きの彼を、学校の同級生は頭がおかしいと言っていじめる。学校の先生は上機嫌のあとに八つ当たりをしたりするので信用ならない。母は死んだ。父は歯科技工士で、母の死後これまで以上に仕事ばかりで彼の様子に気が付かないようだ。
バスチアンは、ふとしたことから古い本を一冊盗んでしまった。もう家に帰ることはできない。彼は学校の物置に忍び込み、本を開いてその世界に溶け込んで