2021.4.30 よあけのばん記念公演
よあけのばんでは、お互いの誕生日などに演目を書き下ろすという風習(?)があります。過去、あまさき倫公里に向けてNonsugarが書き下ろした演目には【ハンニバル】【TWENTY SEVEN CLUB】【君に決めた】があります。
今回は、あまさき倫公里(28歳)の誕生日の為に書き下ろされたNonsugar単独公演で、演目名を伏せた状態で行われました。Nonsugarから手渡されるキーワード(ピン球)を元に、よあけのばん公式ホームページより隠しページを見つけ演目を進めていくという少し古風で懐かしいシステムが採用されています。
キーワードは
「よあけのじん」
「写真」
「なまえ」
「青い月」
「ペリーヌ」
「Nonsugar単独特別公演」
「Kの葬列」
となっているので、実際にホームページより演目のⅠからⅥまで読むことが出来ます。
辿るのが面倒、という方は当記事の最後に載せていますのでそちらをご覧ください。
公演は、「各チェックポイントで誕生日プレゼントを渡していく」という内容で進んでいきます。そちらの様子はあまさきのTwitterを以下にまとめますのでどうぞご覧ください。
あまさき倫公里のTwitterより
演目【???】
Ⅰ
君は27歳を越えて28歳になったのだね、おめでとう。とつぜんの手紙に驚いているかな。「そんなことよりあなた誰よ?」なんて思っているかもしれないね。君は今日が誕生日なんだよね。じゃあ、1日が華やかに彩られるようにクイズでも楽しもうか。問題はひとつだけ。
「僕はだれでしょう?」
→回帰船
ここでわかったらすごいけどノーヒントでは難しいだろうね。これからいくつか話を聞いて僕が誰か当てておくれよ。君の隣にいる彼は僕のことを知っているから、一日を楽しんでもらえるようにお手伝いをしてもらうことになっているよ。いつもと違う一日をすごしてね。
さて、今日は庭にテーブルを出して朝食にしよう。庭がない?じゃあベランダかな。朝食が終わったら出かけるといいよ。
ピンクのクマがいる所に赤い車を用意したから、それに乗って行ったらどうかな。去年もらったクラブの会員証を持っていくといいよ。
Ⅱ
「私が見つけた時、彼は既に死んでいたわ。
わたしがそうであるように、たくさんの人が彼を愛しているのでしょう。
それ故に、彼の死をたくさんの人が嘆いているわ。「ああ、彼はもう既に死んでいるのか」って、彼は見つけられる度に何度も何度も死んでいるかのようね。彼は毎日死に続ける。さて誰が彼を殺したんでしょうね。」
→夕暮れ町殺人事件
みんなが僕のことを「大好き」ってそういってくれるのは嬉しいね。誰が僕を殺したかって?そりゃあ僕自身さ。誰だってね、ぐるぐると螺旋を描くようにいずれたどり着くんだ。行くべきところは決まっているよ。
そうだね、今日は「螺旋階段」のある建物に行ってみようか。昼食の用意をしているよ。
Ⅲ
「あの人は、繊細で不器用で自分の守り方さえ知らない、傷ついた子供みたいな人だった。いつもギリギリの所で生きていたわ。彼はとっくに自分の限界に気付いていたのよ。だけど彼は大きすぎる周囲の期待に、ただ正面からそれを受けとめるしか方法を知らなかった。マリオネットみたいに操られて、それが幼い時からあたりまえだった。あの人には本当の自分の顔がなかったんじゃないのかしら。」
→糸繰人形
僕は自分の頭を銃で撃ち抜いたから顔がないって言われてるのかもね。銃について詳しく知りたいなら武器庫の店主にでも聞いてみたらどうかな?必要ない?まあいいじゃない、楽しんでいこうよ。
Ⅳ
「はじめて間近で見る彼は死人のような顔色をした いかにも芸術家風のやせた青年で、生えた無精髭さえも美しく見えたわ。
ある朝彼が画板と絵の具を持ってやってきたの。その日は髭も剃って大層機嫌がよさそうだったわ。描いた絵に私が上手ね、と言うと彼はほんの少しだけ微笑んでいたわ。」
→描きかけの世界
生きてるうちは庭で花を眺めながら絵を描いてみたこともあったな。僕はね、子供の頃絵描きになりたかったんだよ。だけどいつのまにかそんなことは忘れてしまったな。花はいろいろなことを思い出させてくれるね。君たちにお似合いの花を用意してあるから取りにいってみたらどうかな。
Ⅴ
「彼はあなたに自分の正体がばれる事を一番怖れていたわ。あなたにだけは完璧なままでいたかったのよ。自分がそんな人間じゃないことはとうにわかっていたのにね。完璧な自分を装いながら彼は絶望へとひた走ったわ」
→Magic
僕は、完璧な「人間」ではないよ。僕はね、実は漫画の世界の住人なんだ。僕にはモデルになったとされる人がいるんだけれど、彼と僕を繋ぐのは「utero」
さて、答えにもう辿り着いたころかな。
漫画に詳しい料理人に夕飯の支度は頼んであるからね。料理人からは幸運と勇気を。
僕からは、愛と死を。
Ⅵ
「何より兄さんのすごいところは、
必死になって何かするっていうんじゃなくて、
どんなことでも難なくできてしまうところなんだ。兄さんはすべてが特別だった。兄さんはいつだって完璧だった。兄さんはみんなの憧れで僕の理想で。早く僕も兄さんに追いついて兄さんの弟として相応しい人間になりたくて。それなのになんでああなってしまったんだろう。僕にはまだこの現実の方が夢みたいだ。」
→おやすみなさい。
僕も弟も現実世界にはいないんだけれど、それでも会うことができるよ。
そうだね、君がページを開きさえすればね。
さて、クイズの答えももうわかったよね。
特別公演【Kの葬列】
展覧会のチケットも用意しておくから、彼と一緒に会いに来てね。
K
2021/04/30 公演【Kの葬列】
会場
HUB Chari(赤い車)
朝日プラザ、田園ビル(螺旋階段)
Tailor Armory(武器庫)
フラワー朝倉(はなが咲いたら)
麵屋LUCK PLUCK(幸運と勇気)
楠本まき個展(Kの葬列)
よあけのばんは、大阪で世にも小さな音楽劇団として活動しています。どこかで公演を見ていただけたら嬉しいです。応援よろしくお願いします。