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頼もしい母

■2024年(両親81歳)

1/1 父 入院4日目 
元旦に危篤 続き(15)

清拭が終わった後、父はパチパチと瞬きをしたり、何かしゃべったり、割と落ち着いている様子だった。

しばらくして目をつむり、少し寝入っているような感じになる。

度々看護師さんに「そろそろ…」と退室を催促され、11:40頃までねばったが名残惜しくも退散する。

父はこの先どうなってしまうんだろうか。

12:00
病院を後にし、その足で姉と共に別荘へ。

母はちょうどお昼時の真っ最中だった。

テーブルに配膳されたお盆を覗くと、おせちの行事食になっていた。

そうか、今日は元日か。

そんなことに改めて気づく。

しかし、母に「明けましておめでとう」とはとても言える気分ではない。

父のことも、とても打ち明ける気にならない。

プラスチックでできた正方形の仕切り皿には、黒豆や栗きんとん、煮物やかまぼこ、数の子など、数種類のおせちが詰められている。

母は、それらを順々にお箸でつまんでもくもくと食べている。

お茶碗もしっかりと自分で持って上手に食べている。

その様子はとても頼もしい。

母がずいぶんと元気に感じられる。

父との落差が大きい。 


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