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エンプラCS="カスタマーサクセスアカウントマネージャー"として在り方の提案

こんにちは、テックタッチのVP of Customer Successをしている垣畑です!

過去2年ほどでSaaSを取り巻く環境は大きく変わり、カスタマーサクセスの役割についても様々な言説が飛び交っています。

今日はそんな中、お客様の従業員数規模が5,000人以上(10万人規模の会社も多数)のスーパーエンタープライズ企業向けで超ハイタッチなCS活動(後述)をしてきた当チームの役割の現在地を共有させて頂きたいと思います。

当社エンプラセールスチームが中心となって築いてきた、誇らしいロゴ集。
スタートアップとしてはかなり珍しい、エンプラ特化のチームです

というのも、僭越ではあるのですが「当社CSチームのような役割・スキルセットを持つチームが日本の大企業のDXに微力ながら、しかし着実に貢献するために求められるのでは…?」と考えているためです!
少しでもご参考になれば幸いです。


ちなみにここで言う超ハイタッチなCSとは、一般的なオンボ~アダプションの骨子の考えはそのままに、お客様ごとの業務内容・個別事情まで深く理解し、作業の巻取りとお客様の自走のバランスを取りながら、主に対話を通してプロダクトの利用を浸透させていく、コンサルティングに近いアプローチを指しています。具体的には、案件ごとに100時間以上を投下しており、これらを念頭にお読み頂けますとご理解頂きやすいかと存じます。


また今後、より具体的に、エンプラCSについてよく聞かれる以下のような内容で当社の例を共有させていただきますので、よかったらそちらも参考にして頂けたらと考えています!
(書きあがり次第、リンクを貼っていきます)

  • セールスとの連携はどう取るべきか?役割分担はうまくできるのか

  • 生産性の指標はどう見るべきか?そんなに超ハイタッチでエコノミクスは大丈夫なのか?

  • ヘルススコアってどう見るべきか?多くが一品物のプロジェクトになる中、一般的なスコアリングとはどこが違うものにすべきか


日本におけるエンプラCSの必要性

少し古いですが、以下のIPAの調査はとても有名で、要するに日本のエンプラ企業内に正社員として在籍するIT人材は欧米に比べずっと少ない、というデータです。
情報システム部門の戦略的重要性を上げることが難しかった(別会社化、外注という発想が主だった)こと等により生じていると理解しており、この傾向は一部の例外を除いて今も変わらないと考えています。

マッキンゼー「デジタル革命の本質:日本のリーダーへのメッセージ」より抜粋


上記は純粋なエンジニア人口の統計ですが、他にもDXに必須の人材であるプロマネやビジネスアーキテクトの分布も同様(社外のコンサル、SIerに多い)と考えられ、日本のエンプラ企業がDXを進める際にさまざまな課題に直面しているのは、周知の通りです。

だからこそ下図の「カスタマーサクセスが支援しうる領域」として赤字で示した活動には高いニーズがあると考えています。

マッキンゼーの同レポートに当社追記(赤字)

赤枠の活動は、組織の各レイヤー・各事業体にアプローチし、ITとプロマネの知見を持って導入から運用までを一気通貫で支援する必要性を示しています。そのような役割を担える部隊を社内で育成するのは難しいため、これらを支援できるエンプラ向けカスタマーサクセスが日本では特に高いニーズがあるのだと考えています。

とはいえ言うは易しで、簡単ではありません。以下の前提を抑えたうえで、チームを作る必要があります。

  • 導入サービスの受益者、導入検討者、意思決定者および実装担当者、ITインフラ担当者までステークホルダーはバラバラ、ミッションもパッションもさまざまである

  • 一人一人が各業務のプロフェッショナルで論理的思考力が高いため、説得力のあるコミュニケーションが必須

そこで当社では以下のノウハウを蓄積・共有してきました

  • 前提としての大企業組織の理解:
    部門ごと、一人一人のステークホルダのミッションや抱える悩みへの想像力や、素早い理解と、IT/DX組織の成り立ち、歴史的経緯

  • エンプラ企業のお客様と渡り合える折衝力:
    プロジェクトのリーダーとのゴール設定、お客様側の体制整備の支援、プロジェクト進行に適切なガバナンスを効かせるための会議体設定(出席者とアジェンダの設計)などに、納得感のあるコミュニケーションが必須(これらをきちんと定めておく必要性を理解頂けないケースがあるため)。
    また現場の個別の課題解決における傾聴力と突破力も前提になります

  • 多くのステークホルダを統率するプロジェクトマネジメント力:
    特にオンボーディングに於いて青写真を描き、事前にリスクを検知する力。最適なリソース配分とスケジュール管理を顧客リーダに提案、合意形成する力が必要です

ノウハウを標準化するため、スキル開発プログラムを立ち上げ、地道に採用・チーム強化に取り組んできました。

評価面談時に使うスキル開発の軸


また顧客への支援の質を最高にするため、これらをオンボーディング~アダプションまで通しで支援する担当体制で、エンプラのお客様を支援してきました。
(組織の設計思想についてはこちらの記事の最後の段落もご参照ください)


テックタッチのエンプラCS
=CSAMの特徴

これらの支援は自然な流れとして超ハイタッチとなり、必然的に現場からCIOに至るまで、お客様の各レイヤーの方々と数多くの接点を持つこととなります。
その中で、マネージャーの鈴木を始めとする一部の野心的なメンバーが、お客様のより深いサクセスとビジネス拡大のため、以下のように役割の枠を広げてきました。
すなわち、エクスパンションと新サービス開発・提案です。

オンボーディング~アダプション推進の中で様々な課題を一緒に解決する中で、自然と「実はこちらにも課題があって、、」と追加のご支援の機会について教えて頂いたり、「ここのリソース/知見が足りなくて、、」と新たなプロフェッショナルサービスのアイデアを頂いたりし、お客様へのより深い提供価値と当社の成長の両方に結びつけてくれています。

これら深く支援させて頂いているお客様ほど大きな費用対効果を創出頂いていることが多いこともあり、契約更改のためのプロジェクトマネジメントに加え、CSがこうしたアカウントマネジメント、BizDevのスキルをチームに基礎スキルとして持ってもらう方向で役割を広げてきました。

そして、このような守備範囲を持つ当社メンバーを新たに“カスタマーサクセスアカウントマネージャー(CSAM)”と呼び、24年度からチームでアップセルの金額やPS売上・利益も指標として取り入れ、役割を明確化しています。

(なお、KPIは全てチームで見る形とし、個人に紐つけてはいません。難易度も規模も異なる一品物のプロジェクトが多い当社の支援について、結果で評価をすることが現フェーズでは馴染まないと考えたものです)

CSAMの動きの具体例

こちら2例ほどご紹介させて下さい

大手製造業様

  • 導入の経緯:
    基幹システム刷新時、現場の生産性を最大化すべく、テックタッチ実装がスタート

  • プロダクト利用拡大の意図と経緯:
    情報システム部門の役員様との対話の中で、グループ全体の業務DXの完遂を支援する形でのテックタッチ活用の可能性について合意、経費精算システム、ワークフローシステム等へ適用を拡大

  • 新サービスの立ち上げ内容:
    お客様にこれらの実行に必要となるリソース・知見が十分足りていなかったいたため、戦略策定、方針の都度の調整、体制の構築など上流プロセスから実装現場での要件定義まで、お客様の組織を支援する複数種類の新たなコンサルサービスを立ち上げ、提案・獲得し、横展開

大手化学メーカー様

  • 導入の経緯:
    まずは課題の大きかったIT資産管理システムへのテックタッチ実装支援からプロジェクトがスタート

  • プロダクト利用拡大の意図と経緯:
    CS担当の寄り添い力もあり、IT部門の現場で自らDXをリードしPDCAを回していける楽しさを実感して頂けた結果、人事システムや情報基盤システムへ展開

  • 新サービスの立ち上げ内容:
    全社の取り組みとしての生産性向上に向けたデータ可視化
    サービスや、システム構築段階からの支援サービスを新たに提案、受注

エンプラCSが役割を広げやすいシンプルな理由

昨今、CSチームがプロフィットセンターの役割も果たすことへのニーズが高まっていることはご存知の通りかと思います。

Gainsight社主催”Pulse”2023より

その中でも、エンプラ向け事業が大半を占める当社は前述の通り、通常のCSと比べるととにかく顧客接点が多く、顧客に深く入り込み顧客のビジネス・組織の理解、関係者のミッションやKPI、人柄や関係性まで考慮し支援を行うのが前提となります。
そのため、SMB向け市場と比べ、CS本来の役割である解約阻止にとどまらず、上記のようなアカウントマネジメント、BisDev的な側面からも自社の成長を後押ししやすい立ち位置にいると考えています。


スキル開発とキャリアパス

このような役割を持ったチームを作るためには、お察しの通りで、採用と育成が最大のハードルとなります。
プロマネ未経験の方にもjoinしてもらっているので、プロマネから始めて徐々にスキルを開発してもらっていて、以前の記事に書いたような「ツーマンセルでアサインし、テーマを決めて案件ごとに愚直にフィードバックをする」「半期に一回、スキルセットをファクトベースで棚卸しする」というスタイルが中心となります。

実は型化できているのはここまでで、アカウントマネジメントやサービス開発についてはまだまだ個人技に頼っている段階です。どのトピックも既に複数名が成功事例を作ってくれており、CSQLであればメンバーの半分以上が、サービス開発も3-4名が複数のサービスを数百~数千万単位で立ち上げてくれており、うちいくつかを型化できる手応えを感じています。

CSチーム コンサルタント職のスキルのざっくりマイルストーン


では、どのようなキャリアパスを描くことができるのでしょうか。
一般的にCSMのキャリアパスがどうなるのか、新しいポジションゆえに前例が少ない中、皆さん模索されている途上なのかなと考えています。

当社のカスタマーサクセスアカウントマネージャーは、あくまでエンプラ向けビジネスの範囲ではあるものの、新規セールスやチャネル開拓を除く非常に幅広い知見が身につくため、以下のような幅広いポジションに繋がりうると考えています

まだ卒業生は少ないですが、キャリア構築を応援していきます

特に、他のアーリーステージのエンプラ向けプロダクトのCSチームにJoinし、新たな事例を作っていってくれる人材は(繰り返しになりますが)日本の大企業のDXを支える後方支援部隊としての意義があるのではないかと考えてます。


テックタッチ社で一緒に日本の大企業のDXを支援しませんか?

前職のコンサル時代から大企業の変革に関わる仕事を続けてきて感じるのは、巨大組織ゆえの「変わること」の難しさです。

一方で、言い尽くされてきたことではありますが、日本の大企業はまだまだ世界をリードする実力もポテンシャルも兼ね備えており、その変革を支援することの社会的な意義は本当に大きいと信じています。

であれば、社内にIT人材、変革人材を抱えにくい構造を解決できる、外部から二人三脚でプロダクト・ライフサイクル一気通貫で支援できるエンプラ向けカスタマーサクセスチームの価値は相当に高いのではないでしょうか


また、当社では引き続き積極採用しています!
もし興味を持って下さった方がおられましたら、お気軽にご連絡ください!

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