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ナナメの夕暮れを読んで|夏の読書感想文

オードリーの若林さんの「ナナメの夕暮れ」を読んで、今までエッセイをほぼ読んだことがないことに気が付いた。

オードリーのラジオを聞くようになり、若林さんの人柄に興味をもち読んでみたのだが、共感できる部分が多いし、面白いしですぐに読み終わった。なにより、自分の分析をしてること、そして変わろうと一生懸命に努力をしていることに感銘を受けた。特に内ではなく外に向ける、という言葉が響いた。

僕自身、とてもネガティブでなにかあると自分が悪いと考え「どうせ自分なんて」と繋がることが多かった。にも関わらず、自分はこんなに色々考えてる、やっている!と虚勢や嘘をはり、人を見下し、何かあると被害者面をし、「大丈夫?」「大変だね」といってもらえるようにしていた。弱くてダサい自分を守るのに必死だった。そうしないと、自分の価値がみいだせなかった。スポットライトがすべて自分、すべて内になっていた。今考えると、周りの人たちもそんな事は、気付いていたと思う。面倒くさい、気持ちの悪い、ダサ坊だったに違いない。だから、その時に繋がっていた人たちは、今はほとんどいない。

そこから色々な出逢いがあり、少しずつだけど変われてきたと感じていたが、根本的な部分が変われなかった。被害者面をしやすい、評価を求めたがる、出来ないをやらないにする、と言った部分だ。ようは、自分自身で生きていないのだと思う。人から評価されないと自分の価値がわからないのだ。だから、恥ずかしい話だけど、人から感謝されても心から嬉しいと思えなかった。

けれどナナメの夕暮れを読んで、そんな自分にケジメをつけようと思った。自分が恥ずかしくなった。変わらなきゃいけない。そう心の奥からフツフツと熱いものがこみ上げてきて、冷えて固まったダサい自分を溶かすかのように、自然と思えた。ぬるく湿ってカビの生えたかのような承認欲求と言う土壌を、でこぼこでも明るく強く野草や野花が咲く土壌に。

そんな場所でも誇れるように、自分という生き方を楽しめるようにしていこうと思える、そんな本だった。

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