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福は笑いながら汗だくと共にきた

僕の部屋の窓にはブラインドがついている。

もともとカーテンだったのだが、お洒落に憧れて取り替えた。部屋がブラインドだなんて、コンビニもなく、汽車が廃線になる田舎者にしてはお洒落なのだ。しかし、ブラインドにするにはカーテンレールを外し、ブラインドを取り付ける必要があり、工具がプラスドライバーしかなかったので相当苦戦をした。

本来なら「電動のぎゅぃーーーん」で穴をあけたり、ネジを絞めたり簡単にできる作業なのだろうが、そんな高度な文明は持ち合わせておらず、右手にプラスドライバー左手にネジをもち、上を見ながら穴を無理やりあけるという作業に何度も心が折れかけた。

腕を上げ続けるだけでも相当きついのに、上方向にまっすぐネジとドライバーでまっすぐに穴をあけるという作業は、心と体に大きなダメージを与えてくる。

汗だくになりながら、半日以上をかけてようやく工具を取り付けることができたのだが、今度はそれに本体をとりつけなければならない。これは楽勝だろうと思っていたのに、なかなかに苦戦をする。

人間不思議なもので、最初はめちゃくちゃイライラしていたのに、一定以上のストレスがかかると脳の回路がおかしくなるのか、なぜか笑えてきて、ずっと独り言を言い始める。

めっちゃ大変やん!しんどー!腕きつー!

などと笑いながらいっていた。いや、笑うことでストレスを軽減させる脳の正常な判断なのかもとしれない。

だとしたら、笑う門には福きたるとはうまいこといったものだ。結局すべての作業が終えるのに、丸1日を要した。

完成したブラインドをみて、いい感じだーーー!全然雰囲気ちがうなぁ!と思う一方、「電動のぎゅぃーーーん」があったらどれだけ楽だったのだろう、なんで買わなかったんだろう?という考えがぬぐえなかったが、朝起きた時にブラインドがつくる太陽の光と影のコントラストをみると、なんてお洒落なんだ!と思う。

笑いながらやったお陰で、小さな幸せだけど気に入っている。確かに福はきた。

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