オーガニックに必要な新技術
このnoteをご覧頂きありがとうございます。
前回の記事では、大枠の理論で述べさせて頂いた4つの課題のうちの最後、
「有機物不足」について、【炭素】と【腐植】をキーワードに述べさせて頂きました。
今回は4つの課題を解決するために製造・販売している、
バイオスティミュラント(BS)の説明と弊社資材の紹介をさせて頂きます。
【BSは環境を整える技術】
弊社リゾームアンドルーツが製造・販売している資材がありますが、
それは全てバイオスティミュラント資材であり、
有機JASで使用しても良い資材となっております。
このバイオスティミュラントというものは一体何なのか、
日本バイオスティミュラント協議会が定義しているものは以下の通りです。
バイオスティミュラントとは?|日本バイオスティミュラント協議会 (japanbsa.com)
もともとはヨーロッパを中心に始まり、現在では全世界へと拡がっている新しい農業資材カテゴリーになります。
バイオスティミュラントとは直訳すると生物刺激剤です、という説明をしているところが多く見受けられますが、わかりにくいので簡単に説明します。
図にあるように、自然界において植物は常にストレスにさらされており、
物理的ストレス
化学的ストレス
生物的ストレス
という大きく分けて3つのストレスを受けています。
このストレスのことを生物刺激と表しており、
様々なストレスを軽減する技術をバイオスティミュラントと呼びます。
つまり、今の環境は植物にとっても「ストレス社会」だから、
このストレスたちの対策をちゃんとやって元気に過ごそうぜ!という感じかなと。
今までの農業では、
ストレスで病気になったから薬を飲むという形で殺虫剤や殺菌剤散布
予防のために同じ薬を事前に散布
という形で対処しています。
人間の場合、病気になってから薬を飲むことはありますが、健康な状態では基本的に同じ薬を飲むということはしないですよね?
ストレスで病気にならないよう、家庭環境なり、職場環境なり、楽しい生活を送れるよう事前に環境を整えます。
もちろん完全にゼロストレスという状態は難しいですが、それでも事前に対策することが可能です。
この事前に対策することが植物にとってのバイオスティミュラント技術になります。
植物が元気に過ごすための自然環境を整える技術ということです。
【BSは自然由来】
日本バイオスティミュラント協議会によると、ヨーロッパにおけるバイオスティミュラントの種類として上記のような製品と種類と定義されています。
これまでお伝えした【生態学理論】の内容と照らし合わせると、
非腐食物質
ミネラル
植物自体やその抽出物
微生物
という感じになります。
つまり、【生態学理論】の考え方で現在の農業における4つの課題を解決するためには、バイオスティミュラントの技術が必要ということです。
このバイオスティミュラント資材は基本的に自然由来のもので製造され、化学的処理を施したものは該当しないことになります。
有機JASの適合資材と同じ考え方です。
有機JASでは認められた農薬ならば何度使用しても大丈夫だから有機JASも安全ではない!という方がいらっしゃいます。
実はこれ、誤った考え方で、有機JASで認められる農薬というものは基本的にバイオスティミュラント資材であり、非常に安全性の高いものです。
製造工程において化学的処理を施したものは認められないですし、使用される原料も栽培や製造工程を厳しくチェックされます。
有機の堆肥自体は有機畜産の家畜糞でないといけないという縛りがないので、実際には抗生剤まみれの家畜糞を使用する方もいます…。
しかし、しっかりと好気発酵し、キレート化された堆肥ならば正直問題ないです。
未熟堆肥や生糞を使うのは論外ですが。
では何故有機JASで認められた農薬が安全ではないと言われるかというと、
これまで日本の農業では、肥料法と農薬法という2つの法律で定められているもの以外は使用を禁じられており、必ずどちらかに登録されていなければいけないものでした。
そのため、バイオスティミュラントという名前が付く以前から作られていた天然成分による資材であっても、農薬もしくは肥料という分類をしなければいけなかったのです。
つまり、「農薬」という分類がされているため、安全ではないと勘違いされる方がいるのかなと思います。
もちろん天然成分でも人体に影響を及ぼすものはありますが、化学処理された成分よりも自然に還元される力が強いので安全性は全く違います。
弊社の資材もそうですが、基本的に植物や海藻など天然の成分を培養し、本来その原料が持っている自然のチカラを付与しているだけなので、
自然界ではあり得ないほど、環境を破壊してしまうほど、異常に成分が強くなるなんてこともないのです。
これがバイオスティミュラントの技術であり、農薬とも肥料とも違う新しいカテゴリーになります。
【BSができること】
バイオスティミュラントはストレスを軽減する技術と何度も述べていますが、これにより何が起こるのか。
植物の生育促進
高温対策や寒さ対策
土壌の団粒構造化
病害虫の発生抑制
野菜の糖度や旨味の向上
水質の改善
重金属汚染の解消
家畜の生育促進
家畜糞のニオイ軽減
養殖魚の質向上 などなど
実はこんなことができちゃうんです。
【生態系理論】において、重要な6つのカテゴリーがあったと思います。
【土】【水】【光】
【植物】【微生物】【動物】
この6つを意識して整えることで、上記のようなことが可能となります。
この写真はゴルフ場の池を水質浄化した際の比較になります。
上の写真は農薬や化成肥料の成分が滞留する池で、一年中緑に濁って夏場は悪臭のする池でした。
ここに水質浄化の微生物とその餌をドローンで散布することでひと月半で雲が反射するほど綺麗な状態に回復しました。
本来、藻の発生というものは自然の浄化作用の一環で、
水中の微生物が酸素不足で活動できない状態に陥ると藻が発生し、
光合成により水中に酸素を送りこもうとします。
しかし、水中に微生物が少ない状態だと、
藻がいくら酸素を供給しても微生物が増えないため、
次々に藻を発生させ、その死骸がプカプカと浮かびます。
また、酸素が少ないため、嫌気性菌が水底で落ち葉などの有機物を分解し、
臭いニオイを発生させてしまうのです。
この水質浄化は一例に過ぎませんが、環境が悪化する仕組みを知っていると
環境がどのように改善するかが見えてきます。
そのため、【生態系理論】をもとにバイオスティミュラント資材を活用すると上記のような様々なことが可能となるんです。
【BS資材(リゾーム)の秘密】
弊社の資材についてはこのリンクを見て頂ければ幸いですが、
少しだけ資材の秘密をお伝えしようと思います。
弊社のバイオスティミュラント資材は基本的に薬草と微生物です。
弊社の微生物資材に「+Cure Water」というものがあります。
プラネットとプランツをキュアしちゃう水です。
一般的に販売されている微生物資材でよくあるものは、
一度散布もしくは施肥した場合、それ以降も定期的に使用しなければいけません。
年に一度ならまだしも、播種や定植の際に毎回使用を促すものもあるくらいです。
本来【微生物】は殺されない限り、【植物】からエネルギーをもらえる限り、その土壌で増えていきます。
【植物】からエネルギーもらえなかったり、【動物】から攻撃されても、
逆に【植物】や【動物】を養分にして増えようとするくらい強いんです。
そのため、【微生物】というものは一度しっかりと土壌で増え、バランスが整ってしまえば、エネルギー次第では常に増え続けるんです。
つまり、一度使用したら基本的にはもういらないってこと。
弊社の資材が売れなくなってしまうかもしれない秘密です。
さらに、弊社資材に「クロロリキッド」という薬草を培養した資材があります。
なんと光合成ができない曇天や長雨が続いたり、ここ数年の夏の暑さが続いたりしても、葉面散布すると光合成ができた状態にできるんです。
これは定期的な散布が必要になりますが、肥料がなくても栽培ができる資材です。
また、薬草の中でもスーパー薬草ともいえる「ホーリーバジル」を培養しており、抗酸化作用や殺菌作用の強い成分により、病気に負けない強い植物にしてくれます。
つまり、農薬までもいらなくなる可能性があるってことですね。
もちろん、整った環境下でなければ発揮できない効果ですので、いきなり全て切り替えるのはやめましょう。
何事も地道に少しずつです。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
もし、弊社の資材に興味を持ってくださいましたら、気軽にお問合せください。
次回は、いわゆる慣行農業や有機栽培、自然農など様々な農法や考え方の違いについて説明したいと思います。
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